前のポスト「話すことアレクサンダーの呼吸法」で、アレクサンダーが自分の呼吸法をどう呼んでいたかを書き忘れました。
彼は「フルチェスト・ブリージング(胸全体を使う呼吸法)」と呼んでいまし。もちろん、それは普通に言う胸式呼吸とは異なるものです。

今回は「意図」についてです。
「心と身体は一つのものの両面なので、決して切り離せない。」と理解したことがとても重要だった、とアレクサンダーは書いています(彼の3冊目の本「自分の使い方」の第一章)。

彼の時代とは異なり、現代では、「心身統一体」という言葉はよく聞くし、誰もが否定しないでしょう。
しかし、アレクサンダーが意味していたことは、遥かにそれ以上のことです。
例えば、楽器の演奏でも、声でも、スポーツでも、ウォーミング・アップを行うきに、どのくらいの人が、それを行っているときに何を考えているかが大きく影響する、と思っているでしょうか?
そして、普通に生活しているときも、無意識的だったり、意識的だったりする考えが、どれだけ自分の気分や身体の調子に影響していることを、人は真剣に考えているでしょうか?

声を出して話をしているときにも、何を考えているか(意識的なものも、無意識的に行っているものも)はとても重要です。

試しに、 人に出会ったときを思い浮かべて、シャドウ・プレイで、「こんにちは」と声をかけてみて下さい。
 ・相手に向けて、ぶつけるように呼びかけてはいませんでしたか?
 ・相手の耳が受取やすいように、というようなことは考えましたか?
・相手が誰かとは関係なく、物に対して言っているように、ただ声を出しているだけでしたか?
  ・・・

いろいろなパターンがあることに気づいたら、みなさんの日常生活で、周りの人のあいさつのスタイルや意図を、観察してみてください。
さまざまなヴァリエーションがあることでしょう。

同じようなことが、家族や友人、または仕事で付き合う人とたちと普通に話しているときにも現れます。
人はそれぞれいろいろなスタイルを持っているし、話す相手によって変えていることでしょう。
(30年以上前に、私が会社勤めをしていたときに、上司と話すときに、極端に態度が変わる人がいました。度を過ぎると、鼻をつくものです。)

それと一緒に、「頭―首―背中」の関係がどうなっているかも見てみてください。
周りの人をあまり考えなくて、自分ことだけ話すような人は、どんな使い方をしているでしょうか?

話に興味をそそられるような人は、どんな話し方をしているでしょうか?

話す人の感情は現れているけれども、聞く人はその感情についていけない、ということも起こります

自分のいつもの話し方に、注意を向けてみませんか。

2月7日(水)と3月19日(日)に坂戸ワンデイ・ワークショップ「声を出すときの意識と動きを変える」では、普段の話し方を扱います。
どちらの日も同じ内容を行いますので、都合の合う方にご参加ください。
坂戸ワンデイ・ワークショップ