みなさんは、一日の生活の中で、何分(何時間?)くらい声を使っているでしょうか?
 コロナ下で在宅勤務になり、オンライン会議がなければほとんど話すことがない、という体験をした方もいらっしゃるかも知れないですね。
ほとんど声を使わないで、何日も過ごしていると、身体エネルギーの消費がかなり少なかったことでしょう。
健康のために毎日1万歩くようにとか言われていますが、声をある程度使うことも身体の健康にはとても重要に思えます。使わないと、その機能も衰えるでしょうから。
しかし、ただ声を使えば良いというものでもありません。
私は高校教員だったころ、話すことが多い授業を3時間続けると、喉の負担が大きく、身体がとても疲れました。
 アレクサンダー・テクニークは、俳優を目指していたオーストラリア生まれのフレドリック・マサイアス・アレクサンダーに声の障害が起こり、自分でそれに対処しようとしたことがその始まりでした。彼の20代前半のことです。(そのあらましと彼がテクニークをどう作って行ったかについては、彼の3冊目の本「自分の使い方」の第1章に書いてあります。私のウェブ・ページの販売ページ(https://yasuhiro-alex.jp/products/)のリンクからその前半を読むことができます)。
 アレクサンダーは自分の声の改善で見つけたことを、他の人に教え始めました。教えているうちに、彼の生徒になった聖職者や治家たち(彼らは当時、マイクがない中で喋っていたので、声は大きな問題でした)に教えていると、彼らの声だけではなく健康もとても良くなったことに気づきました。
そのため彼は、自分が発見したものが人間とってとても大きな意義を持つものだと思うようになり、27歳のときには俳優をやめて彼のテクニークを改善して教えることに方向転換しました(そして、オーストラリアで成功を収め、35歳でロンドンに渡ります)。
 つまり、声を出すことは、健康を悪くするように働くこともあるし、健康を良くするように働くこともあるということです。
ただ、普通は、それほど多くの時間を大きな声で話さなければ、話すことは健康に必要だと考えて良いでしょう。
ある程度話す時間がある人は、アレクサンダーが教えたように、それをもっと自分の全体的な健康に役立てることができます。
大人数の前で話すときだけでなく、人との挨拶、仕事での会話、友人との会話、家族との会話...など、それら自分を疲れさせずに、自分の健康増進に使えるのです。
先日、たまたま近くで公演の林家たい平の落語を聞きに行ったのですが、話し家は自分の健康を良くするように使っているな、と思いました。
落語が終わって楽屋に帰るときの足取りも、とても軽く見えました。声を出すときに身体を重くせずに、上がるようにしているで、その後の歩き方のエネルギーの出方も違うのでしょう。
 第10回の坂戸ワンデイ・ワークショップは「声を出すときの意識と動きを変える」です。
主に、普通に会話をするときの自分の声の出し方を扱います。
自分の健康増進に役立てるヒントを探して行きますので、興味を持った方はぜひご参加ください。http://yasuhiro-alex.jp/sakado_1day/
(普通に話すときに自分をどう使うか。は最も重要な点なので、BodyChanceで行う私のアセスメントでは、とても重要なチェックポイントになっています。)
字を書くことで自分の心に眼を向けて、それを日常生活につなげる発見にしてみませんか。