5月1日から4日までのアレクサンダー・テクニークを学ぶ4日間の長丁場の連続WSが終わりました。さすがにわたしも終了後は疲れを感じましたが、とても充実した楽しい時間を過ごすことができました。
協力的に参加して頂いた参加者の方々、ありがとうございました。
(4日間参加の方が5名、1日目と4日目だけ参加の方がそれぞれ1人ずつ、2日と3日目の連続参加の方がお1人でした。)
期待していた以上にいろいろな発見がありました。
WSでわたしが話した内容は、知識として準備していたものもありましたが、多くが参加者の動きや熱意から触発されてでてきたものです。
それを引き出して頂いたことにも感謝します。
これからのわたしの探求にも、手掛かりを幾つか得ることができました。
1日目(5月1日)
午前
(1)食事のためにテーブル歩いて行き、イスに座り最初の1口を食べる
「日常生活でいつも行う動き」の題材として、今回のWSではこれを使いました。
(2)各個人のアクティビティ
午後
(1)アレクサンダー著「自分の使い方」1
「アレクサンダーが最初に見つけた話すときの3つの傾向」
F.M.アレクサンダー作「市長マサイアスが見た幻影」という劇詩を使い(4日間ともこれを使いました)、自分と他の人について「3つの傾向」がどう現れるかの観察を行いました。
(2)各個人のアクティビティ
【1日目の感想から】
・ディレクションを出し続けるというのと、結果を求める、感じに行くこととの境目が難しいですが、実験を繰り返すことしかないということを再確認できました。
・集団の中で、人と共にいること(の存在感)や、考える場面でATを使うこと(での本人の変化)が分った気がした。
・単にティーチングや何か特定アクティビティに限らず、WS内での何気ない言動のとき、つまり日常の何気ない言動や、行為の際の使い方、思考、言動パターンにも深く「USE」が関わることに気づきした。
「USE」が変ると、思考や言動、そしてもしかすると「気持ち」的な部分(要素)も変わることを体験しました。「USE」の概念が変りました。
・1つのテーマについて、色々な人の動きが見れるところが良かった。同じ動作(座って食べるや朗読する)にも、人によって使い方が異なるのは面白い。
・動くときには、「思考」→「動作」の順番を明確にする。「思考」の途中なのに、次の動作を始めようとしたり、動作をしている間にその動作をしていると感じようと、しないようにしたい。
どのアクティビティでも、詳しく動作の説明があったので理解しやすかった。一人で練習するときの身体の使い方の指針を更新できた気がする。
2日目(5月2日)
(1)1日目午前の(1)の継続
(2)各個人のアクティビティ
午後
(1)「自分の使い方」2
「胸を反らし、背を短くすること。足で床をつかむ。」について。
人のどの活動も、身体の全ての部分が参加する全身的な活動(それを生み出すのは心的と言えるシンキングです)になっていて、それには人体が「張力ネットワーク」として僅かな力も途切れず伝わるようになっている必要がある。
(2)各個人のアクティビティ
【2日目の感想から】
・意識を広げておうこと、不要な準備をやめること、不要な眼の動きをしないこと、を改めて課題と感じた。参加者それぞれにその人の課題がある。
・今まで自分で行ってきた「ディレクション」や「シンキング」は、ほぼ「ドゥイング」だったと思う。
・声を出すときに、「~に聞いてもらう」ようにと意図すると、身体が自動的にやってくれる。
・頸椎が一つずつついていくこと。肘がリードして引張り、指や手、前腕が長くなること。
・2日間集中的に身体の使い方をやったことで、少しだけディレクションの出し方が楽になったように感じて楽しかった。
3日目(5月3日)
午前
(1)1日目午前の(1)をさらに深める
(2)「自分の使い方」3
「自分にどう指示(ディレクション)を行っているか、を考えたことが無かった」
指示(ディレクション)をするときの質について考えました。
多くの場合で、「考える内容」だけを考えていて、それをどのように考える(指示する)かに注意を払うことは少ないからです。
ミッシー・ヴィニヤードの本から、「指示を考える」瞬間に、自分に起こる僅かな緊張に気づきそれにどう対処したか、の部分を紹介しました。
(3)肩の動きと、それが脊椎の柔軟性に与える影響。
どの位の思いで、肩の部分が動きづらくなるか。
それを起こさずに、腕を使うにはどうしたらよいか。
それが出来ているときに、脊椎の可動域が広がること。
(4)ハンズ・オン
指と手が触れている相手の形に添うように動くこと。それと(3)で行ったこととの関連。
午後
(1)ウォーキング
天候に恵まれたので、自然の中(緑の多い場所を使って)でのウォーキングを行いました。1時頃に出発して4時少し前に帰ってきたので、3時間という少しハードな行程でした。ウォーキングに加えて、坂を登る・降りる、テニスのストロークについてのアクティビティを行いました。
(2)ピアノのアクティビティ
指先にどのような動きを起こすことが演奏に際的かと、その動きを起こすときに、腕や手や指に不必要は力を
(このテーマは4日目のテーマと関連します。)
【3日目の感想から】
・3日目でも集中力が切れることなく全てのアクティビティに真剣に取り組めていることに少し驚いた。全員が同じアクティビティをやって、それを見ることで色々と気づきがあることに、楽しさが感じられているのだと思う。
・前の2日間と違って長い時間を歩いたが、普通のアクティビティでは得られない体験で、とても学びが多かった。
・午前にやった「指示(ディレクション)のみを出す」について、やはり考えます。「意識的」ということと指示を出すこととの関係や、その質についてしばらく意識しようと思います。
・自分が今やっていることに気づけるようになることが重要。何で前は気づけなかったのかと、思えるようになればかなり進んでいる証拠になることが分りました。アクティビティや教えているときだけでなく、日常活動でATを使い続けるという意識を持ち続ける必要があると思いました。
・準備になる指示(ディレクション)だけを行い、実行しようとしない、という意味が分かりました。
・食べるアクティビティは、前日より意識的に取り組めるようになりました。このことから、日常的に意識して行うことが探求することなんだと思いました。
4日目(5月4日)
午前
(1)1日目午前の(1)をさらに深める
歩き出す前にプランを考えて、食べるまでをリズムを持ってやり通す(途中で感じにいこうとして、動きの連続性が途切れないようにする)。
(2)ハンズ・オンと指、手へのディレクション
アンドレス・セゴビア(ギター)とメナヘム・プレスラー(ピアノ)の普通の人とはとても異なる手と指の動きをビデオで見ました。
指へのディレクションを行うなどをした後に、ハンズ・オンの手の感じがどう変わるかを試してみました。
(3)各個人のアクティビティ
午後
(1)「自分の使い方」4
「どの動きにも変えることができるユース」
第1章「テクニークの進化」の最後の重要な部分です。
声を出す、腕を上げる、何もしない、で各自が練習してから、一人一人がそれを実際に行うときにどうすれば良いか、についてワークしました。
(2)各個人のアクティビティ
【4日目、全体を通しての感想】
・頭から足までつながっていることを実感できました。雰囲気とメンバーが違うことで、ボディチャンスのクラスより集中力を持って、参加することができました。ボディチャンスのヤスヒロさんのクラスより小人数で、一人ずつの時間が取れたのが良かった。(N.S.さん)
・ATについての理解が進んだこと、自分が日々行っている動作に対する具体的な改善手段が明確になったことは成果です。
自分のユースについての重要課題が納得感を持って理解できたことは期待以上の成果だと思いました。WSに参加してとてもよかったと思っています。
6人という少人数でみんなが同じ動作を行うこと、またそれに対して経験豊富で探求心の強い一人の先生が一貫性をもって評価、解説、再教育するというプログラムがとても有効であると思いました。
このプログラムを考え、実行してくれた康裕さんに感謝します。ありがとうございました。(G.A.さん)
・人とつながるということを追求してみたいなと思いました。
手と足の動かし方、それぞれが伸びる、長さがあるということ。押しても引いても伸びることができる。頭のことを集中して思うのではなくファーっと思う。
動かしたいところを選択して動かすこと。
観察力が自分にまだまだないことが分りつつも、人の動きを見てモワーッとして変だな、と感じるところも徐々に出てきた感じもします。それが正解か不正解かという思考に陥りがちですが。
今年のGWは得るものの多かった4日間でした。人数が少なく経過を追いかけてもらっているので、自分でこれから続けていこうというヒント、考えを大きく得ることが出来ました。
長い時間、多くのことを教えていただきありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。(K.J.さん)
・自分の今までの間違いや勘違い、わかっていなかったことを多々経験しました。同時に間違いや勘違いの使い方だけでなく「こっちだよ。」という体験も・・・。
自分は現在第二段階ですが、正直このままではずっと第二段階なのでは?という焦りがあり、それが今回の参加の大きな原動力でしたが、そんな自分にとって今回の4日間の集中したWSはとてもありがたかったです。
自分でも思っていた、多分出来てもいないし、わかってもいなくて、でもどうしたらいいのかもわからないと思っていたことが案の定山ほどあり、それについてフォーカスを当て続けることができた4日間でした。
「テクニークの進化」にある、話す、話さない、違うことをする、という選択は今までは単に自分を上手く使うための方法(論)として考えていました。
WS内でヤスヒロさんが言った「つまりどこにでも行ける(自由であること)。」というような総括的な捉え方はしていませんでしたし、ましてそれが「意識的であることの証拠(証明)」というようには考えたこともありませんでした。(よく読めば書いてあるのでしょうが・・・)
そして単に「方法(論)」として捉えた場合「あ、これだとdoingだな。」とハッとしました。
上記を踏まえて行ったアクティビティは、ほんとうに感覚認識も違和感一杯で動けなくなるような体験でしたが、それが(だからこそ)貴重でした。
FMさん曰く「望ましいと思うアイデアを考えさえすれば、それがどんなものでも実行できる。」「行おうと思えば実行(成功)できる。」と間違って考えていたことを、身を持って体験できました。(D.T.さん)
・2日間出席した後、感想の提出が遅くなってしまいましたけど、WSを離れてからの時間では、参加前より思い出す(直す?)ことが常になり、頭に自分全体ががついていき続け、動き続けているというのが起こっていると気づけていられるし、あの自分だけでは到達しない意識の、その近いところに辿り着けそうな望みが見えてきました。(K.R.さん)
・ちょうど今後進む方向について考えていたところだったので、このWSへの参加は将来の生き方を考える上でとても意義深いものとなりました。思い返せば、今まで「嫌なことをどう我慢するか」「困難な状況をいかに切り抜けるか」ということばかりにATを使っていました。今回「自分に正直になる」ことについて真剣に考えた体験は、これから「やりたいこと」にATを使うときに活きてくると思います。
Use of the selfを読む部分では、聞きなれた「Direction」「Inhibition」「Non-doing」「Use」等の言葉がとても新鮮に感じられ、それらの知識・理解を更新できたことが、大きな収穫でした。
比較的長時間屋外を歩くクラスは良い気分転換になり、歩くという動きを実生活に近い形で深められ、楽しくて有意義な時間でした。また、自分が活性化するには、もっと運動することが必要だと改めて実感しました。
ほぼ同じメンバーの、同じアクティビティを一貫して見られたのも、とても興味深かったです。その人の思考・特性が動きにどの様に現れるか、日を経るごとにどの様に動きが変わっていくかが分かり、自分が動くときの参考にもなりました。
また同様のWSがあれば、是非参加したいと思います。4日間本当にありがとうございました。(G.A.さん)
・4日間の集中した取り組みで、意識が切り替えやすくなりました。
共通テーマや個人のアクティビティを通じて、人の動きが変わる様子をある程度見ることができました。
自身の体や意識の使い方の特性や、今ATを使うことのできる範囲について認識をあらたにしました。(O.M.さん)