昨日(2021年3月27日)ファシアレクチャー第3回を池袋で行いました。
申込は12人だったのですが、残念ながら体調不良で2人の方が欠席でした。欠席された方々の早い回復を願っています。
今回の内容と、参加者の感想を届けさせて頂きます。
(来週は梅田でその後はオンラインで2回行いますが、今回の池袋も合わせると既に26名の申込を頂いています。今後の開催の感想を、開催後に随時付け加えていきますので、時々のこのページをご覧ください。)

いつものように膨大な時間を準備にかけましたが、昨日の始まってからの3時間はあっという間で、参加者の協力もあってとても楽しい時間を過ごすことができました。
時間をかける必要があった一つの要因は、ファシアについてはまだ用語や考え方、身体全体との関連での観点が定まっていなくて、いろいろな本を読み、情報を探し出すたびに、書いてある内容がかなり異なっていた、ということが挙げられます。
そのため、資料を実際に作り出したのは1週間ほど前ですが、レクチャーの内容として何を取り上げ、構成をどうすれば良いか、第2回のファシアのレクチャー(昨年の11月)が終わってからずっと考えてきました。
今回の資料作成の開始が遅れたのは(第2回の資料は、1週間前には8割~9割完成していました)、大まかな方針は決まっていても、その核になる部分が不十分だという思いから、文献に当たり続けていたからです。

しかし、その甲斐があって、わたしにとっては自分の中にファシアについてのストーリーを持つことができました。
ただ、その内容をこのファシア最後のレクチャーに盛り込んだことで、やや難しい用語が幾つか出てきたリ、詰め込み過ぎになった感は否めません(資料は18ぺージ+4ページ(付録)になっています)。
参加された方々には、ぜひ今回の資料を復習して、その全体像に詳細な点に頭を巡らせていただきたいと思います。

レクチャー内容

1.ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェア
  ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアの手順。
  その背景と行うときの観点。

2.身体のファシアの構造
  ファシアの全体像の復習と深層ファシアが腱膜ファシアと筋外膜ファシアに分類されること。

3.筋外膜、筋周膜と関係する筋紡錘
  筋周膜にある筋紡錘の顕微写真、筋紡錘に作用するγ運動ニューロンの役割。

4.身体の深層ファシアの連続性
  身体全体を覆う深層ファシアの各部がどちらに分類されるかと、その名称。

5.ネッター「Atlas of Human Anatomy」 に描かれている深層ファシア
  解剖学の代表的な本に描かれている深層ファシア。

6.表層ファシアと深層ファシアの付着
  表層ファシアと深層ファシアは普通は互いに独立して動いているが、身体の中央などで、その2つが付着している所がある。

7.頭―首―肩-胴体の表層の筋肉とファシア 
  胸鎖乳突筋・僧帽筋が一つのまとまりを作る。
  大胸筋・三角筋・広背筋が一つのまとまりを作る。
  それらの筋肉の実際の繋がりと筋外膜ファシア

8.腹直筋鞘と胸腰ファシア
  胴体は前側と背中側に腱膜ファシアがあり(腹直筋鞘と胸腰ファシア)、それは3層になっていて、各層が関連する筋肉とのつながりを持つ。それを通して、身体の左右片側の筋肉が働くときに反対側の筋肉にも影響できる
  (昨日のレクチャーで言い忘れましたが、胸腰ファシアをどのような状態にすれば良いかは、アレクサンダーの「背中が長く広く」と関連します。)

9.腕から手の構成
  腕の全体構成と、特に上腕二頭筋の腱は2つに分けれていて、片方は骨に挿入しているが、もう片方は前腕ファシアに挿入している

10.肩の筋ファシア展開
  筋肉は、骨だけでなく深層ファシアにも挿入している
  筋肉の区画分けを行う中隔の役割

11.肩と腕の筋肉の上腕ファシア・前腕ファシアへの筋ファシア展開
  三角筋、大胸筋、広背筋の上腕ファシアへの筋ファシア展開により、腕を動かそうとするときにいかに上腕ファシアが影響を受けるか。

12.手首から手
   パチニ小体とルフィーニ小体が多い手首の支帯(固有感覚に関係)。
   手掌腱膜など。

13.アレクサンダー・テクニークと頭と首と胴体、そして手と腕と脚と足
―――ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チャア

   アレクサンダー4冊目の著書(UCL)から、頭がプライマになっている「張力ネットワーク」に関係すると思われる部分。
   動きを考えるときのヒント。

14.アナトミー・トレインのアーム・ライン
    トーマス・マイヤースの「アーム・ライン」に現れるファシア。

15.ファシアの機械的特性
    ファシアの厚みと強度。

次回の池袋レクチャーと「ステッコの本を学ぶ――オンライン・レクチャー」の企画について

(1)次回からの池袋レクチャーは、延期していた「マージョリー・バーストーのティーチング」について3回程度で行う予定です。初回は、8月頃を予定しています。
(2)「ステッコの本」というのは、ファシアレクチャーでも何度か取り上げているカラ・ステッコの「ファシア系の機能アトラス」のことです。
この本の内容は、難し過ぎずにどれも有益な内容です。わたしは、この本の内容の1つ1つについて、さらに時間をかけて、じっくり学び、考えて行きたいと思いました。
今回のレクチャーとは異なり、この本の内容の理解だけが目的です。事前にわたしの訳を配り(この本の特徴になっている「とても多くの写真」は添付しないので、テキストについては各自購入)、内容をある程度予習してもらい、簡単な概要説明の後に、本の内容についての質問を受けつける、という形式を考えています。
5月下旬ころの開始予定、(月1回90分のオンライン・レクチャーで、全8回(前期4回+後期4回)の8ヵ月、各期の参加費は20,000円程度)です。詳細が決まったら連絡させて頂きます。


参加者の感想

【池袋開催】

(後藤 篤史さん)
筋紡錘が筋周膜にあり、γ運動ニューロンが全運動ニューロンの3割も占めているということは、レクチャーではざっとしか触れなかったところですが自分で調べてみようと思いました。
今回教えてもらった情報が、腕を動かすときにどのように活かせるか知りたいと思いました。今までよりも消化不良に感じて、難しかったので家で復習をします。

(G.H.さん)
ファシアが様々な部位と複雑にからみ、相互に影響し合いながら機能していることが、改めて興味深く感じられました。
筋骨格だけでなく、全体にファッションを含めることで使い方が大きく違ってくると思いました。
日常動作や手の使い方において、生かせそうな情報がたくさんあり勉強になりました。情報量が多く消化しきれていないので追って復習したいと思います。
腕、手(指)の細かい動きとファッシアとの関連について、もう少し知りたいと思いました。

(K.R.さん)
筋紡錘が筋線維の中にあると思っていたので、筋周膜にあると考えると筋肉を動かす時の動きの質が変化した気がしました。
面白いネタがたくさんなので時間が足りないです。もっとまざりながら遊びたいです。
ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアをもっと実験したかったです。
「筋肉で骨を動かす」から「筋骨格系で動く」でいく。


(O.M.さん)
ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアの意図の理解と実習、筋ファシア展開の考え方と具体例(腕についての)が印象に残りました。
筋骨格系では不十分で、ファシアを考えることの重要性が納得できました。

(Y.A.さん)
筋肉は骨にくっついているという考えしかなかったので、筋肉がファシアにつながるという部分が印象に残りました。
腱膜ファシア、筋外膜ファシアの位置やその流れなど、全体性をイメージすることの助けになる内容でした。
知らないことばかり(人体について)だと思うばかりで、今回の内容は何でも大切に思えます。

(E.F.さん)
今回は前回よりさらに、ファシアのつながりがよく分りました。
資料の中の写真やビデオを見たことによって、部分ではなく全体を考えることの大切さに改めて気づきました。
自分では絶対に調べきれないほどの情報を、まとめて教えて頂けてとても勉強になりました。内容がボリューシーなので、自分の中で消化するのに時間がかかりますね。今後、自分の動きを考える時に役に立つので、また少し時間をおいてレクチャーをしていただきたいと思いました。ありがとうございました。

(H.E.さん)
「筋、骨格、ファシアネットワーク」「映像で見たファシアがよく動いていること」「色々な筋肉はつながっていること」「ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェア」「 鎖骨肩甲骨と筋肉等の繋がりが腕に続いていること」が印象に残りました。
言葉が難しかったですが、このつながりで踊ったらきっと良くなりそうです。体が動きやすくなりそう。

(K.S.さん)
3人が前に出て腕を上げたデモンストレーションで、一人の人の腕を上げる動作に抵抗が見られていたのが、腰から下半身へのファシアへのワークにより腕の動きがスムーズに変わりました。見ていて分りやすかったです。
知れば知るほど体は全体で動いてることがわかり興味が増しました。

(O.F.さん)
ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアについて理解が深まったと思います。広背筋と足の筋肉のつながりを体の動きで示してもらったことが、印象に残りました。ファシアで全部が繋がっていることが感じ取れました。
3回全て参加しましたが、最後にやっとファシアの重要性に気づけた気がします。
これを AT とともに生かしていくこと、実際に見たり、やったりするクラスもやってください。ぜひ。
最後に行なったハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアを、もっと探求(体験)したいです! すごい体験でした。

(N.S.さん)
ファシア・テンサーとして筋肉が機能することを学んでことで、方向性とファッシアがファシア・テンサーの概念でようやくつながりました。
ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアを実際にやってみることができてよかったです。マージもハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアを教えていたことが知れておもしろかった。

【梅田開催】

(M.H.さん)
ガンマ運動ニューロンや胸腰ファシアのこと、など興味深かったです。図は色を統一すると分かりやすいと思いました。丁寧に教えていただいてありがとうございました。

(T.M.さん)
「筋肉が伸びていくことで力が出る」という解剖学的な知識が、普段クラスで行なっているアクティビティでのプランとどう結びついているかが少しわかった。大切なことを学んでいるという感じはあるのだが、まだどのように日々の動きに活かせるのかがわからない状態です。

(I.S.さん)
難しい内容なのに、入って来やすいように良く練られていると思いました。
図も分かりやすかったです。
ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアーも体験できて良かったです。
筋肉がファッシアにつながっているところがあることが印象的で、人間って膜だらけだなと思いました。膜に包まれているから引っ張られて2次的な動きにつながる、ということがよく分りました。

(T.M.さん)
アレクサンダー・テクニークで述べられていることが、科学的に解明されているのが興味深かった。40年前に解剖学を勉強していた時には無かった概念です。
図、映像が豊富で、実体験を交えて説明して頂けたので分かりやすかったと思います。
第1回、第2回の内容も何チャンスがあれば習いたいです。

(S.M.さん)
今回ももりだくさんで、すごくおもしろかったです。
筋外膜が動いたら連続的に筋紡錘が動くことや、血管がファシアの上を通ったり下を通ったりしていたり、表層ファシアと深層ファシアが結合している所あること、筋ファシア展開・・・そしてつまるところ、全身のあらゆるところが影響し合っている、ことが印象に残りました。
実はやすひろさんがはしょった部分にも、たくさんのお宝が埋まっていそうで、時間があったら深掘りしたかったです。
次回の企画も楽しみにしています。 

(K.J.さん)
筋肉がファシアに入り込んでいること、伸張反射とエキセントリック収縮のところが印象に残りました。
ファシアとともに全身がいかにお互い影響を与えあっているか、のイメージができました。.
 AT における「身体全体 がついていく」というイメージと必要性が強化された気がします。

(M.R.さん)
①今回のレクチャーで、人間の身体の繋がりの複雑さと精緻さに感動しました。筋肉にはもともと興味があったので、様々な筋肉をCG図でみたりはしてきました。しかし、CG図での整理してわかりやすく表示してある筋肉と、ファシアなどと複雑に繋がっている本当のリアルな筋肉とは全く別物だということがよくわかりました
②「頭が動いて身体全部がついていく」という指示が深く納得のいくものになりました。頭、首、肩、胴体の筋肉とファシアが繋がっているなら、頭が動けば全部ついてくるのは当然ですね。
動画での腕のファシアを動かしている部分が印象に残りました。動画の解説で、石田さんが「邪魔をしなければ、本来は腕はこのように連動して動くはずなんだ」という趣旨のコメントをされていたのがとても印象に残っています。
資料14ページの、筋肉の収縮とその筋肉の筋ファシア展開によるファシアへの作用で。上腕を動かすと指先まで引っ張られるというのは興味深いです。

【オンライン】
(山本 佳代子さん)
ファシアの大きな流れのようなものを意識できるようになると、丁寧に自由に体が動かせるようになりそうです。
ディレクションを考え始めると体が固まっていく感じがあったのですが、一つ先に進めそうな気がします。
ハンズオンバックオブチェアの「お題目」の意味というのか流れが、初めて少し理解できました。

(児島 陽子さん)
内容が深く、わかりやすいと思いました。時間的にもほどよかったです 。
リアルが望ましいですが、オンラインでも資料が充実していたので十分に満足できるものでした。
ファシアの構造について、単純な筋膜という認識からもっと複雑な機構になっていることに驚きました。具体的な体の深層までの構造がわかって体の動きについて理解を新たにしました。筋紡錘の役割とあとは固有感覚という言葉に興味を持ちましたが、まだ整理できておらず今少し理解を深めたいです。

(S.M.さん)
盛りだくさんでしたが、やっと全体的に分かってきた気がします。 自分の考えていた、体についてのあやふやな部分が何かをやっと知る事になり、更に学びたいと思います。
腕のファシアについて筋肉との繋がりを説明された所が印象に残りました。 充分にまだ理解していないので、復習しようと思いますが。
ありがとうございました。

(M.W.さん)
骨ー筋肉だけでなくて、ファシアー筋肉ー骨の絡み合う関係性があって、それらが人を形作っていることが改めて感じられました。レクチャーを受ける前までは、各々の筋肉が別個に存在して働いているイメージが強かったのですが、それらはファシアも含めたらひとまとまりで相互に関係しあって働いているものだという認識に変わりました。 
ファシアの映像が生生しかったですが、皮膚の下のファシアと筋肉がどのように存在していてつながっているかの視覚的イメージが持てたのも良かったです。
腕から手の構成の箇所の、筋肉は骨だけじゃなくてファシアにもつながっていて、ファシアから別のファシアに展開している筋肉もあるというところ。頭ー首ー肩ー胴体の表層の筋肉を覆う深層ファシアがつながっているところ、が印象的でした。

(S.Y.さん)
・筋紡錘の働きが伸張反射を起こし、深層ファシアが筋肉トーンの調整をして、異なる身体部位の運動が一緒に活動しているということ、必要な動きをファシアがサポートしていくなど興味深かったです。
・背が長くなるためにも、お尻から脚のつながり、身体の前面も胸部から腿までの伸びやかさと支えなどがあると再認識し、観察実践していきたいと思います。
・腱・筋膜といったものについて、より具体的な構造と働きが明確になって、とても興味深いシリーズでした。自分全体でつながっていることをとても良く理解できると思います。
・アレクサンダーの言葉の意味するところをレクチャーの内容が深めて理解を助けてくれたと思います。
・資料もとても充実していて、また1回目から振り返ってみたいと思います。アルカンタラの本も持っていたので、久しぶりにまた読んでみようと思います。ATを始める前に買った本でした。以前とは違う理解ができることでしょう!
・オンライン受講では、事前に資料を予習しておけて良かったです。久しぶりに解剖学の本を開きました。

(D.T.さん)
・正直、初回のレクチャーの時は「ファシアって?」と今よりも関心が低かったのですが、ふとしたことからより「ファシア」に興味を持ち、そのため今回はほぼ全ての時間興味深かったです。
・筋紡錘についてやファシアの展開、ファシア・テンサー等々を思うと、ATのみならず、例えば仕事でのマッサージや運動法やストレッチ等についての考え方がまるで変わります。
・またATでいう「Thinking」や、アナトミー・トレインの本の中で見つけた「あらゆる身体の行為は精神の行為である。(William Alfred)」を思うと、筋紡錘についてや、ファシアの展開、ファシア・テンサー等々についての「Thinking」が、自分や患者さんに対してどう影響(反映)するのか、興味を持ちました。
筋紡錘や支帯を含むファシアと固有感覚について扱ったという第二回のレクチャー、オンラインレクチャー等で今後機会があれば参加したいと思いました。

(S.M.さん)
印象に残ったのは腕の筋肉とファシアが肩から先ずっとつながっていて、腕を動かすと全てが動くということでした。もちろん体全体がつながっていて体全体も動くのですが、何かが違うということ。
それとはべつに、一番最初の腕の使い方とそれによって伸びがどう引き起こされるか、の説明もよかったです。hands —– the chair の説明として何度も聞いていることでしたが、違う視点からの解説も入って、そういうことだったのか!と思うところがありました。
ファシアについては理解しきれていない部分もあるけど、レクチャーは面白かったです。アレクサンダーの勉強が進んだのも手伝っていろいろなことが今までの知識とつながった気がします。