肩甲骨を知っていますか?
名前は知っていることでしょう、構造を少し学んでいれば、ひじから上の腕の骨(「上腕骨」と言います)の球のような骨頭が、収まっている身体部分です。
その肩甲骨は、肋骨とは関節を作っていなくて(つまり、肋骨の上を制約無く動ける)、身体の前の「鎖骨」と繋がっているだけです。
BodyChanceで、いつも言われている、鎖骨からを腕と考える、ということに繋がっていて、それは、腕を動かす時にときどき役に立ちます。
つまり腕が動くということは(特に、手を肩より高い位置で動かすときには、)肩甲骨が動くということです。
腕を動かしてみて、肩甲骨が動くことを感じてみて下さい。
もちろん、この肩甲骨には、いろいろな筋肉がついています。
肩甲骨の重さ
さて、みなさんの肩甲骨は、どの位の重さがありそうですか。
500グラム、1キロ、2キロ?
また、自分で動かしているときに、どの位の重さのものだと思って動かしているでしょう。
比較の対象として、小さな350mlのペットボトルはどうでしょう。
その、350グラムと比べて重そうですか、軽そうですか。
(1リットル(1000グラム)の肩甲骨と言う人は、まさかいないですよね?)
先日、それに興味を持って、ネットで調べてみました。
人体の骨の重さは、体重の15~20%だそうです。
===>すると、体重50キロの人は、多くて10キロです。
次に、肩甲骨は、全体の骨の重さは約3%(ちなみに鎖骨は1%)
===>すると、10キロ×0.03=300グラムです。
しかし、肩甲骨は左右にあるから、おそらく半分にする必要があるでしょう。
すると、150グラムということになりそうです。
自分の周りの150グラムのものを探して、それがどの程度かを感じてみて下さい。
わたしは、自分がとても思いイメージを持っていたことに気づきました。
そのときに、思い出したことは、忍者アナトミーの、コンラッドさんが昨年BodyChanceのスタジオに見えられたときに、肩甲骨の中央部分の骨は、薄くできていて、透けて見えるくらいだと言っていたことです。
(Webでそう描いている図を見たことがあります)
どうもスケルトン(骸骨模型)の重たい肩甲骨の模型に、騙されていたのかも知れません。
(ちなみに、等身大のスケルトンンの重さは10キロくらいなので、総量としては、それほど違っていないのですが)
人が、重たい肩甲骨を動かすということ
ついでに、本来は軽くて、自由に動くはずの肩甲骨を動かすことについて考えてみます。
1)重さを増やす筋肉
既に書いたように、肩甲骨にはたくさんの筋肉がついています。
頭や首から肩甲骨をつっている筋肉。
腕を動かすための筋肉。
など、ですが、これらの筋肉が適正に働ことをやめて、肩甲骨にぶら下がっている、と想像してみて下さい。
そうとう重くなりそうですね。
これは、力を抜こうとしたり、過度のリラクセーションを行おうとすると、起こりそうなことです。
経験はないですか。
2)動きを止める筋肉を頑張らせてしまう
もう一つ、肩甲骨の動きを妨げるものは、動かそうとる反対側の筋肉を、リリースしないで、頑張らせて、抵抗を増やすことです。
腕を頭の近くまで上げようとして、上がる筋肉を頑張らせるために、肩甲骨の下の方にある胴体の筋肉を固めていませんか。
身体部分だけを動かす時には、その方向への筋肉の力よりも、それを妨げる方の筋肉のリリースを考えた方が、うまく動きます。
3)拮抗的な引張り
アレクサンダーのレクチャーでも話したように、アレクサンダーは、「拮抗的な引張」を、このテクニークの重要な原則と考えていました。
ウォルター・キャリントンは、それが動きにどう影響するかを、ロンドンの「タワー・ブリッジ」(船が通るときに跳ね上がる、吊り橋)を例に使って説明しています。
簡単に言えば、重量があるものでも、それと反対方向にいつも引っ張っていれば、僅かな力でそれを動かせる、というものです。
このことも考えると、肩甲骨に重さは、ほとんど0グラムとイメージして良いようです。
(これは、わたしたちが歩くときも、同じです。誰も、自分の体重ほどの重たいものを、動かして歩いていると考えたら、歩くことは、とても大変になるでしょう。)
「拮抗的な引張」を起こす、全体的な使い方の方がより、重要だということです。