わたしたちの身体は、自分が思っているよりも、かなり少ない力で動きます。
子供たちの伸びやかな動きと、大人の動きを比べてみてください。
違いはどこから起こるのでしょうか、筋肉が衰えたからでしょうか。
でも、子供たちの筋肉はそれほど力がないことをわたしたちは知っています。
彼らは、脚や腕は細くて、体重は軽いし、筋肉は伸縮性がありそうですが。
動きの違いは、わたしたちが年齢を重ねるにつれて、余計なところに力を加えて無駄にエネルギーを使ってしまうことからきます。
また、不安や緊張で、身体を固めて続けてしまうことがそれを強めてしまいます。
余分な力を使うことを止めることによって、エネルギーの無駄使いを防ぎ、疲労を少なくします。
それは、さらに呼吸を深くすることに役立ち、全体的な身体エネルギーが出てきます。身体の不必要な頑張りは、柔軟に動く必要のある呼吸に使う筋肉の邪魔をするからです。
動きの中の、余計な力みを取るために、アレクサンダー・テクニークが役に立ちます。
イスから立ちあがる動き
(1)動きの観察
今回のクラスでは、最初に3人ずつの組になって、1人がイスから立ち上がる動きを、他の2人に観察してもらい、気がついたことを話し合ってもらいました。
この動きでは、ほとんどの人が頭を後ろに引いてしまいます。
それを頭に入れて、観察してもらいました。
大きな動きは、誰もが観察できるのですが、頭を僅かに引くことが見えるようになるには、少し練習が必要です。
わたしが全体を見ていて、頭を引かずに立ち上がっていた方は、9人の参加者中1人でした。継続受講されていて、3期目になる方です。
頭を後ろに引かずに、いろいろな動きを行えるかは、アレクサンダー・テクニークが使えているかの目安になります。
(自分の頭の動きがどうなっているかを、自分にも他人にも観察する力を、参加者には練習してもらいたいと思います。)
自分で試してみるとわかるように、頭を後ろに引かないようにと思うだけでは、全く無くすことはかなり困難です。
立ち上がろうとする、自分全体の使い方がそれに影響するからです。
クラスでは、時間の関係で言いませんでしたが、イスから立ち上がる動作には、他にもいろいろなことを観察できます。
例えば、わたしたちの頑張りが、必要な方向と逆方向に、を加えてしまうことです.
イスから立ち上がるときに、どのように自分に力を加えているかを観察してみてください
上半身に力を入れているとしたら、それは下方向の力です。
上に行きたいのに下方向の力は邪魔になると思いませんか。
上半身に力がはいっていなくても、脚にどのくらい力が入っていますか。
足首や膝や股関節を動かすことが必要ですが、それ以外に力を入れていませんか。
自分の動きの質をよくするには、本当に観察の力を上げていく必要があります。
(2) 首を固め、頭を後ろに引くことの影響
「逆アレクサンダー」と呼ばれているものを行って、イスから立ち上がる動きがどうなるかを観察して、もらいました。
それは、首を固めるか、頭を後ろに引きながら、イスから立ち上がってみるkとおです。
ここでは、詳しくは書きませんが、みなさんが行ってみれば、首や頭のことを考えただけなのに、身体のいろいろな部分に悪影響がでることがわかります。
(3)アレクサンダー・テクニークを使う
今度は、首を固めたり、頭を後ろに引いた後に、それを解放しながら、イスから立ち上がる動きを行います。
(固めて、立ち上がり始めてから、途中で開放してもかまいません。)
このときには、立つ動きを助けるために、「股関節(こかんせつ)」から前傾して、前に動くと考えることが役に立ちます。
これも詳細を省きますが、2回目の首を固めたときとは全く違う感じで動けたことに気づきます。多くの人が、1回目に普通に立ち上がったときよりも、楽に動け、動きがなめらかになったことを感じます。
この頭の動きを使うことが、アレクサンダー・テクニークで、これでもテクニーク使うことです。
ぜひ何度か、これを試して、どのような違いが起こるかを観察してみてください。