新宿・朝日カルチャー「疲労を軽減するアレクサンダー・テクニーク」1回目からの続きです。

(4)他の動きでも試す

「首を固めたり、頭を後ろに引く」ことと、それを「解放しながら」動きを行うことを、他の動作でも試すことができます。
クラスでは、
①歩くこと
②人に、あいさるすること
で行ってもらいました。

他にも日常生活のいろいろな動作で試すことができるので、 ぜひ行ってみてください。
頭の動きが、いかに影響するかを理解できるでしょう。

慣れてきたら、
① 首を固めた後の「解放する動き」の終わりを、実際の動きの終わり(イスから完全に立ち上がる瞬間)と合わせてみる
② 最初に首を固めるときに、その固め方をできるだけ少なくしてみる
も試してみてださい。

自分の身体の新しい使い方

このように動くときの考えを変えるだけで、いつもの動き方が変わり、それが疲労の軽減に役立ちますが、
わたしたちアレクサンダー・テクニークの教師の助けにより、その変化は大きくなり、さらに持続させることができます。

動きの楽さだけでなく、その良い動きに伴う身体全体の使い方の変化は、動きの後も感じ取れるようになります。

クラスでは、一人一人に2~3分をワークして、イスから立ち上がって、歩いてもらいました。
(この動きを自分で行うときの細かい内容については、以前のブログ「アレクサンダー・テクニークを使って、イスから立ち上がって歩き出す」で書きました。試してみてください。)

参加者の多くが、座っているときに、自分の重さを軽く感じたり、歩くことが楽になったりします。
これは、自分の使い方が良くなったことの表れです。

月に1回の講座でしかないのですが、継続参加の方々は、すでに身体はかなり学んでいます。
より短時間で、身体の変化が起こるからです。
おそらく、ご自分で、いろいろ試されていることでしょう。
長期間続けていくことで、確実に動きの質が変わっていきます。

初めて体験される方は、当然なのですが、最初は何を要求されているかが分からないので、少し時間がかかります。
他の参加者に動きの変化が起こることを、見ることで、何が起こるかが分かり、それが徐々に自分の動きが変わる基礎になります。

意識して新しい動きを使うことの重要性

今回のクラスでも、参加者は、動きがすぐに変わることを経験しました。
これは、動きの変化を起こす条件は、すでに身体が持っているので、特別な身体鍛錬は必要がないことを意味します。
変わったのは、脳からの指示です。

でも、それを使おうと思わないと、いつもの動きのパターンだけで毎日を過ごすことになります。
長年行ってきた自分の動きのパターンは、脳の中に強力に作られているので、そう簡単には変わらないからです。
そのため、学んだことを使うことが必要で、それには生活の中で「意識的」になる必要があります。
アレクサンダーは「意識的」あることをとても重要に思っていて、2冊目の本のタイトルにこの言葉を使いました。

試しに、1日に何回アレクサンダーテクニークを使おうと思ったか数えてみてください。
できたら1週間を続けてみます。
それほど使えなくても、ここの考えを1週間続けたら、すでに何かの「意識の変化」を感じるかも知れません。

楽に動く「感じ」を再現しようとしない

アレクサンダーテクニークを使おうと、日常生活の中で思い出せるようになったら、実行するときの注意があります。
それは、ワークを受けたときに味わった「楽な感じ」を再現しようと思わないことです。

変化が、起きたのは、「頭の動き」を変えたからです。それには、例えばイスから立ち上がるときでしたら、
「頭が動いて、身体全体がそれについて行って、そうすることで、股関節から前に傾く….」
と考えることでした。
アレクサンダー・テクニークを使うということは、このプロセスを毎回考えることです
(練習を積めば、言葉にしなくても、一瞬のうちにこの考えを持つことができます)。
考えないで行うことがないように、注意してください。

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