アレクサンダー・テクニークは、今ではオリジナルからとても変わり、色々なことに使われているので、その大元が分りづらくなっています。

アレクサンダー自身の言葉で、このテクニークの説明を簡潔に知りたいと思いませんか。

1955年に亡くなったアレクサンダーが講演を行っている映像は残念ながらありませんが、レクチャーの記録が3つ残っています。
その最も有名なものが、ベッドフォード体育大学で生徒とその卒業生を前に行ったレクチャーです。

それが行われた1934年が重要なのは、彼が62歳で始めた教師養成コースの4年目にその年があたるからです。
アレクサンダー界で現在「~派」呼ばれているその「~」に入る人たちは、ほぼ第1期生(イギリスではパトリック・マクドナルド,マージョリー・バーロー、アメリカではマージョリ・バーストー,ルーリー・ウェストフェルト)と第2期生(第一世代教師で最も多くの先生を育てたウォルター・キャリントン)で、このベッドフォード・レクチャーの前後に学んでいました。
つまり、このベッドフォード・レクチャーで説明しているテクニークの内容は、それら大御所の先生たちが教えを受けた当時の内容にあたるわけです(実際に、第1期のトレーニーの数人がこのレクチャーに聴衆として参加しています)。

A4で18ページ(日本語訳で) になるこのレクチャーで、アレクサンダーは「自分の意見と異なることを聞くと、人はそれを受け入れようとしないために、なるべく講演をしないようにしてきた。」という弁解で始めて、次のような内容を話しました。

1)背中に対する首と頭の使い方にあるコントロールを行うことで、人の状態を改善できることを見つけたこと

2)悪いところがあれば、自分に行っていることが原因なので、最初にそれをやめる必要があること

3)座るときに考えるべきこと(意識的であること、「活動の中で考える」)

5)自分の感覚を使っては、改善できなこと
6)脳からの指示は胴体を通って手足に行くこと

6)デモンストレーション(2人の生徒に行いました。これについては、次のメルマガとブログで書く予定です)

アレクサンダー・テクニーク初心者は、このベッドフォード・レクチャーでその全体像をつかむことができるし、 アレクサンダー教師は、知っていると思っている言葉についてより深い理解が得られるでしょう。また、話し言葉による説明は、彼の4冊の本からの印象とはかなり異なります。
さらに、デモンストレーションで実際にワークを行うときの、彼が実際に生徒に指示する言葉を知ることは、とても参考になります(アレクサンダー・テクニークを学ぶときに、アレクサンダー自身が言った言葉と、そうでない言葉を区別することは重要です)。

また、随所に彼の深遠な洞察が現れているので、何度も読み、体験を深めることで、いつも新しい刺激を受けることができます。

ぜひ、何度も読むべきものとして、期間をおいて読み返してみて下さい。

「ベッドフォード・レクチャー」は「アーティクルズ・アンド・レクチャーズ」の本の中に収められています。「アーティクルズ・アンド・レクチャーズ」の訳は、私のリーディング・クラブで購入できますので、興味ある方はyasuhiro.alex@.gmail.comまでご連絡ください。

また、第7回の坂戸ワンデイは「ベッドフォード・レクチャーを学び体験する」で、7月18日(月)に行います。平日開催の希望も受け付けています。
詳しくは、http://yasuhiro-alex.jp/sakado_1day/ をご覧ください。 WSでは、事前にテキストを読んで来てもらい、解説とデモンストレーションの体験を、1日かけて行います