今日(2020年2月22日)、池袋レクチャーの第6回が終わりました。6人の参加者の方々ありがとうございました。
3時間のレクチャーで、休憩も短かったため濃密に感じたことでしょう。
今回のレクチャーでは、アレクサンダー80歳代のときに2年間個人レッスンを受けたビンクリーの日記を中心に扱う予定でした。
しかし、準備をしていうちにビンクリーの比重は少なくなり、アレクサンダーのレッスンが何を狙っているかを書いた「UCL(彼の4冊目の本)の第5章」、彼の「チェア・ワークのビデオ」、彼が行った「3つのレクチャー」の内容とその関連付けが大きな割合を占めることになりました。
もちろん、アレクサンダーからのレッスンをとても詳細に書いたビンクリーの日記は、その作業の中でも重要な情報源です。
それらを使いながら特に晩年のアレクサンダーが、個人レッスンで実際に何を言っていて、 何を教ていたか、を主に扱いました。。
今回の資料。
1)レジメ 3頁
2)UCL第5章「変化に対して使い方はいつも影響する」ヤスヒロ訳 22頁(A4カラー、簡単な解説付き)
3) アレクサンダーのチェア・ワークビデオの分析 13頁(A4カラー)
4) ビンクリーの日記から見る2年間のチェア・ワークの進み、その後の教師養成コースでビンクリーが習得したスキル 3頁(A4カラー)
5) アレクサンダーが行った3つのレクチャーとチェア・ワーク 5頁(A4カラー)
(資料の販売を行っています。)
1.今回の内容
今回のレクチャーでは、アレクサンダー80歳代のときに2年間個人レッスンを受けたビンクリーの日記を中心に扱う予定でした。
レジメに書いた次の次第に沿って進めていきましたが、実演などを行いながら説明したために、時間の関係でかなり割愛せざるをえないものありました。
1.はじめに
1)チェア・ワークの目的
2)UCL、ビデオ、ビンクリーの個人レッスン、3つのレクチャー
2.UCL第5章「変化に対して使い方はいつも影響する」
1)「使い方」と「習慣的な反応」
2)変化の障害になる困難
3)自分を変えるためには
3.アレクサンダーのチェア・ワークの分析(1)
4.ビンクリーの日記から見る2年間のチェア・ワークの進み方
1)ビンクリーが受けた個人レッスン、プライマリ・コントロール
2)インヒビション
3)ディレクション
5.その後の教師養成コースでビンクリーが習得したスキル
6.アレクサンダーのチェア・ワークの分析(2)
7.3つのレクチャーとチェア・ワーク
1)「児童研究会レクチャー」(1925年)
2)「ベッドフォード・レクチャー」(1934年)
3)「聖ダンスタン・レクチャー」(1950年)
8.まとめ
「インヒビション」「ディレクション」「プライマリ・コントロールと拮抗的な引張」
9.質 疑
2.参加者の感想
(I.Y.さん オンラインレクチャー)
ア レクサンダーのビデオは何度か見たことがありますが、実に細かいコマ送りの解説資料があり、自分が見落としている小さな変化がどこでどう起こったのが如実に分かって、すごく参考になりました。
レクチャーのたびに思うのですが、康裕さんが作成なさる資料は、ほんとうにボリュームがあって、ていねい・親切で分かりやすく、毎回、この資料をいただくだけでも価値があるなあと感じています(もちろん、これに加えて、さらにレクチャーまでついてくる?ので、実にお得なのですが)
わたしたちはつい、「すでにできあがったもの」としてアレクサンダーテクニークを学びがちですが、アレクサンダーの中でも、ことばの使い方や教え方などに様々な変遷があり、歴史があるということが、実感を伴って理解できたような気がします。
また、私が学んでいる学校では、特にチェアワークのみをとりだして学ぶということはしていないのですが、多くの方にとっても身近な動作ですし、私自身が座って演奏する楽器をやっているため、「座る」というアクティビティは何度もやっていますし、個人的に特に意識していますが、アレクサンダー自身のチェアワークがどんなものであるかという原点を知れたことは、非常に貴重な体験だなと思いました。
それに、同じアレクサンダーテクニークを学んでいる、別の教室の方と一緒に学べたのもよかったです。そういう機会はなかなかないと思うので、まさにこのレクチャーならではだと思いました。
今回、初めてのオンラインレクチャーということで、多少のとまどいはありました。事前に送られていたメールでの指示を見落とすなど、私の個人的なミスもありましたが、オンラインという手段があったので、都市間の移動が難しいこの状況下でもレクチャーが受けられたのだから、ありがたいと思いました。
ただ、私はどちらかというと対面の方が好きなので、次回はふつうのレクチャーに戻れるよう、この事態の収束を心から祈っています。
(M.R.さん オンラインレクチャー)
今回はzoomを使ったオンラインレクチャーで、便利な一方でATのレクチャーとしては難しい点もあると思いました。最初から最後まで講義をするだけなら、オンラインで十分かもしれません。ただ、実演が入る場合はオンラインでは工夫が必要ですね。僕はスマホで参加しましたので、スマホの小さな画面では石田さんの実演がよくわかりませんでした。参加する側としては、タブレットやパソコンなどを用意するのが望ましいと分かりました。
さらに、石田さんの実演が上半身で画面から切れてしまっているので、全体像がわからないという問題もありました。
レクチャーの内容そのものは、アレクサンダーの動画の解説資料などいずれも充実した内容でした。今回の資料は内容も特に興味深く、すでに何度も読み返しています。ATで頻出する「長くなる」「広くなる」といったワードがありますが、「拮抗・引っ張り」の詳しい講義によって理解が深まりました。この理解の深まりが今回の最大の収穫です。
オンラインの講義で不便で問題を感じたところもありますが、中止にせず開催してくださいまして感謝しております。とても勉強になるレクチャーでした。
(N.S.さん)
アレクサンダーの原理を再確認できました。アレクサンダーの手の使い方が上手なことも認識できました。
デモンストレーションをしながらの説明がおもしろく、アレクサンダーの原理やチェア・ワークでやっていたことの理解が進みました。
資料にあった写真のコマ送りの説明が良かったです。
(A.S.さん)
チェア・ワークの目的を考えることができし、実際に受講者が何らかのワークに参加したのも良かった。
インヒビションとディレクションについて考えることができて勉強になった。動き方や言葉についても考えさせられた。
資料は丁寧に作られていて、種類も多く良かった。
(O.M.さん)
今までの6回のレクチャーの中で一番興味深いものでした。
教師の側の意図や、手の様子が解説つきで見れて参考になりました。
アレクサンダーが、どの時期にどう言って(書いて)、どうレッスンをしていたがある程度分りました。
資料で、特にチェア・ワークのビデオの解説は貴重なものだと思います。
(D.T.さん)
面白かった。楽しかった。興味深かったです。
チェア・ワークについて学べてよかったです。ATで使っている言葉の意味についても掘り下げることができました。
資料は充実していました。レクチャーだけで終わらずに、レクチュアの内容を思い出しながらもう一度学ぶことができると思います。
本を購入しているので、ビンクリーの本を読むのも楽しみです。
(M.W.さん)
チェア・ワークの目的やアレクサンダーが使った用語や実践する時の困難について、彼の本やレッスン動画だけではなく、質疑応答やデモンストレーションやチェア・ワークのプチレッスンを受けたり見たり などを通して、多角的に学べて面白かったです。
資料は、3時間では全然収まらないくらいとても充実していました。
読むたびに発見がありそうで、折を見て読み返したいです。
資料の活用の仕方や、質問の意図についても説明があったので、受講態度に迷いが生じにくく、とても学びやすく感じました。
頭をリフレッシュしたりトイレに行く時間が欲しかったので、こまめに(1時間ごとに1度くらい)短めの休憩時間があったら嬉しかったです。
3.次回の池袋レクチャー
いよいよマージョリー・バーストーを、数回シリーズで行う予定です。彼女が行ったワークショップのビデオがいくつかあるので、それらを中心に、他の資料も使いながら、彼女の教えは何だったかを考えます。
これから準備を進めて行くので、おそらく5月か6月からになります。