今回は、立つこと、座ること、歩くことを使って、みなさんが実験できることを書きますので、ぜひ試してみてください。

(1)立ち姿勢とテンセグリティ

疲れたときは身体は重いですし、調子の良いときは、晴れやかで軽く感ます。
体重は変わらないのに、身体の重さの感じは、いつも変わっています。

【実験】
この実験では、「思い」を変えるだけで、すぐに重さ感や、足の裏の力が変わることを試してみます。
1)立って、足の力を抜き、身体の重みが足にかかると思ってください。

 脚が緩んできて、足の裏に体重がより加わる感じがするでしょう。
気持ちを、落ち込んだ状態にすると、もっとそれができます。

2)その状態で歩き出してみてください。どんな感じがしますか。

3)今度は、頭が身体から離れる方向に動いていくと思い、首、胸、お腹、お尻、脚、足が順番にその動きに従っていくと思ってみます。

 体重が軽くなった感じがして、足の裏に感じる力も減ることでしょう。
何か楽しいことを考えると、それがもっと強まります。

 4)この状態で、また歩いて見ます。

★立ち方を観察してみましょう
右の3つの立ち方のトーンはどうかを考えて見てください。
真似をしてみると、感じがわかるかも知れません。

左の2つは、ほんとど違わないように見えることでしょう。
左端は、胴体を脚に乗せていると考えながら、立っています。
写真では、はっきりしませんが、全体のトーンの分布という点ではかなり異なります。

 

(2)座り姿勢のテンセグリティ

【実験】

1)いつもの座り姿勢で、上体の力を少し抜き、重さをもっとイスの座面にかけてみます。

しばらくそれを続けてみてください。 最初は変な感じでも、徐々に慣れることがわかります。 そのときは、どんな感じがしますか。気分はどうですか。

 2)そこから立って歩いてみます。どんな感じがしますか。

3)今度は、頭が身体から離れる方向に動いていくと思い、首、胸、お腹、お尻、脚、足が順番にその動きに従っていくと思ってみます。

 変化が感じられないようでしたら、一度立って座り直して、そのときに、いつもの「座っている」と感じている、少し前で動きをやめてみてください。
その状態を続けてみます。

(4)立って歩いてみます。

★座り方を観察してみましょう
 右の3つの座り方のトーンはどのようかを考えてください。

イスの座面に身体の重さをどのくらいかえけるか、一人一人かなり異なります。

多くの人が必要以上に体重をイスにかけて、身体全体のトーンを失っています。
少しそれを減らしてみて、それがどんな感じかも試してみてください。

(3)歩くときのテンセグリティ

前の2つの実験でも、身体についての思いの変化が、歩き方の違いをもたらしたことでしょう。

【実験1】
歩きながら、気分を小学校の1年生か2年生に戻らせてください。
歩き方を変えようとは思わずに、ただ自分の思いだけを変えて見ます。

クラスで、そうやるように頼んだら、その思いを持つまでに1、2分必要だという人がいました。でも周りで見ていた人が、その後で明らかに歩き方が変わったことを見ました。
(このように、他の人にやってもらって実験する方が、変化がわかることでしょう。)

【実験2】
(1)普通に歩きます。

(2) 歩きながら、「両手の指先(普通は少し丸まっていることでしょう)が、伸びていく」と考えてみます。

(3)歩きながら、「両手の指先が、丸まっていく」と考えてみます。。

指の状態の違いで、歩き方が変わることを体験できるでしょう。

 テンセグリティでは、構造物の一部にトーンが無いと、全体に影響が出ます。
その反対に、どこかのトーンを高めることで、全体のトーンを高めることができます。

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