BodyChanceのプロコースで教えるアレクサンダー・テクニーク教師ヤスヒロ(石田 康裕)のページです。テクニークの歴史や役立ち情報など多くを載せています。教育分野(学校の先生など)での応用にも力を入れています。ヤスヒロは、埼玉・東京でのレッスン、出張レッスンを行っています。機械工学修士で27年間、高校で教えました。

先生の身体と心の健康

  • HOME »
  • 先生の身体と心の健康

自分の活動を支える「身体の使い方」を良くする

「身体は資本」という言葉がある通り、先生だけでなく、どの活動でも身体の状態が良いことはとても重要です。
みなさんは、自分の身体に何を望みますか。
・健康な身体
・頑強な身体
・疲れにくい身体
・しなやかな身体

いろいろあるでしょうが、そう望んでいるということは、十分でないと感じているのかもしれないですね。

アレクサンダー・テクニークでは、人がどう自分を使っているかを「ユース」(使い方)という言葉で表します。
姿勢や動きを見れば一人一人違うので、「ユース」は個人によって異なることを、わたしたちは知っています。
でも、どれだけそれが「身体の健康」と「心の健康」に悪い影響があるかを理解していません。

授業がうまくいかなかったときは、疲れを感じます。
でも、普通にやっていること、例えば「立つ」・「歩く」・「話す」・「板書をする」・「デスクワークをする」などでも、
必要以上に疲れさせることがあります。

その人の「ユース」は、いつも影響を与えている

アレクサンダー・テクニークは、自分の「ユース」を新しくすることで、「余分な緊張のない動き」を可能にして、「身体の健康」と「心の健康」を改善します。
「動き」で、その人全体が変わるのは、「身体」と「心(精神)」が切り離せないからです。
このことをアレクサンダーは考えて、「psycho-physical unity (精神と身体の統一性)」という言葉を好んで使いました。
「動き」と書きましたが、「呼吸」や、「考える」というようななことも含むので、「活動」と言った方が良いかも知れません。

アレクサンダーは、自分の声の障害を克服しようとして、テクニークを見つけました。
そのとき、それは声の器官という「特定の場所」のユースの問題ではなく、「自分全体」のユースの問題だと気づきました。
その自分の「全体的なユース」は、アレクサンダーの4冊目の著書のタイトルになっている「生きている上で変わらないもの(Universal Constant in Living」)で、その人全体にいつも影響しています。
それが良ければ、いつもプラスに作用するし、悪ければいつも必要以上の苦労を招くことになります。

アレクサンダーが驚いたのは、自分だけが特別な悪いユースをしていると思っていたのに、ほぼすべての人が彼と同じことをやっていたことでした。
その他の人への気づきは、自分の問題を解決して理解を深めた後で起こりました。すぐに気づけるものでは、なかったからです。

アレクサンダーは、彼の問題は、人の誰にも共通な普遍的な問題だと気づき、さらに探究していくことに熱意を持ちました。

誰にも見られる「ユースの悪さ」

アレクサンダーが観察した悪い「全体なユース」は、
「人が、頭を後ろに引き(ときどき、前に出し過ぎることもあります)、脊椎を縮めようとする。」
ことでした。

これは、いろいろな状況で起きます。
日常動作のほぼ全ての動作で起きます。
例を挙げれば、
・イスから立ったり、座ったりするとき
・人と話すとき
・話を聞くとき
・何かの作業をするとき
・精神的ストレスを抱えているとき
です。
でも、誰もがそうやっているので、それを異常とは感じません。

特に現代人は、長い学生生活やデスクワークで座る時間が多いため、良い姿勢を保つ筋肉が活動を止めて、働かなくなり、全体的な使い方が悪くなっています。
活気なく座っている時間が多い人ほど、体重の大部分をイスに預けてしまうので、内部の臓器は身体内部で柔軟に動くことを止め、それがその人のいつもの「ユース」になります。

「ユース」を変えることで、「身体の健康」と「心の健康」を保つ

本来の身体は、形の決まった部品の組み合わせではなく、柔らかくて可動性のある臓器が、身体の動きに協調しながら動くようにできています。
それは呼吸によってもわずかに動きます。
呼吸は、決して肺と横隔膜周りの動きだけではありません。
アレクサンダーは、身体全体が協調的に働くことで、呼吸による内臓の自然なマッサージが起こると説明していました。

固まりがちな身体を良いユースで動かせば、わずかな動きでも、うまくスポーツを行った後や、温泉に入った後に近いのびのびとした状態が起きます。

それは、筋肉トレーニングや、無理なストレッチで筋肉を縮めてしまうこととは逆です。
(ストレッチで、ある筋肉を伸ばそうとしながら、多くの人が、その筋肉や他の筋肉に無理をさせています。)
また、リラクセーションとも異なります。アレクサンダー・テクニークは緩めるのではなく、身体全体に「適切なトーン(tone 張り)」を作ります。

 その新しい「ユース」を日常生活と仕事での活動に作っていくことで、身体と心の健康が保てます。

また、そのような先生の「身体のユース(使い方)」は生徒に伝わるので、生徒にとって知識よりも大事なものを受け取ることになるでしょう。

 

PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.