アレクサンダーは41歳で最初の本を出版し、54歳、63歳、72歳とほぼ10年毎に
4冊の本を書きました。それぞれの本の特徴は次のようです。

1.「人が受け継いでいる最高のもの」(略称 MSI)
2.「個人の建設的で意識的なコントロール」(略称CCC)

1910年(今のものは1918年の合本)のMSIと1923年のCCCの2冊は、アレクサンダ
ーの基本的な考えが書いてあります。
3冊目以降で「プライマリ・コントロール」という言葉がようやくでてきますが、それ以
外はほぼこの2冊に述べられていてよいでしょう。
この2冊は、取り上げているに内容にいくらかの重複はありますが、かなり性格が異なり
ます。

MSIは、彼が「人が受け継いでいる最高のもの」と考えている「意識的なコントロール」
を説明しています。
この言葉を嫌う人もいるでしょうが、MSIを読むと、それが「私たちが考えずに無意識
に行動することで、とても愚かなことを行っている」という彼の観察から来ていることが
分かります。
私たちも、その愚かさを日々体験して、そのことにときどきは気づいているはずです。
彼はそのことをつきつめて考えて、それが身体の使い方を含めていろいろなことに悪影響
を及ぼしているので、「意識的になる必要がある」という主張を行いました。
その意味で、「意識的なコントロール」という考え方は単純で、アレクサンダーは単に「良
識のことだ」とも言っています。
その上MSIは、人の身体の使い方を見るときにどういう観点で見ればよいか、も書いてい
て、立ち方や、イスの立ち座り、歩き方などの具体的な説明も行っています。

CCCを、アレクサンダーはMSIの続編と考えていました。
哲学者ジョン・デューイが生徒になり、親密に交流を重ねたこともあって、その力点は身
体面より心の面に移ります。
この本は全編に渡って「感覚認識」について書いていて、「感覚認識が間違っていること
が、私たちに間違った考えや行動をとらせている」ことを実例を挙げながら書いていま
す。
そして、彼のテクニークがなぜ「感覚認識を改善させてくれるテクニーク」になるかを述
べています。
この本は有名な「ハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェア」の具体的な手順を詳細に書
いていますが、アレクサンダーはその記述を、生徒が取るべき「態度」――どう考えるか
――について説明している、と書きました。
それは、テクニークを使う全ての場面で必要になる「態度」で、いわゆる「シンキング」
のことです。

3.「自分の使い方」1932年
この本は何より、彼がテクニークを作り上げた具体的な過程を書いている第1章が有名で
す。
前年の1931年に始まった教師養成コースのテキストになっていたことでしょう。「ゴル
フ」と「吃音」についてそれぞれの章を設けていて、それらは意識的に取り組むことの実
際例です。

4.「いつも人に影響するもの」UCL
第二次世界大戦中の1941年にアメリカで出版されたとき、アレクサンダーはすでに72
歳になっていました。扱っている題材はそれほど目新しいものはありませんが、CCCか
ら20年以上を経た彼の細かい考察を読むことができます。
この本は、特に生理学者のコグヒルが、自分の研究成果を挙げ、それがアレクサンダーの
ものと同じだと認めている「序文」が重要です。

アレクサンダーの晩年の30年近くで、最も身近にいて世話も行ったアレクサンダー教師
のマーガレット・ゴールディが次のように言ったことおw、彼女の生徒のフィオナ・ロブ
が書いています。

FMが最も気に入っていた本は「個人の建設的で意識的なコントロール」だった、と彼女は言った。 そして私が「個人の建設的で意識的なコントロール」と「人が受け継いでいる最高のもの」と「自分の使い方」を読み尽くしたと思うときには、「いつも人に影響するもの」に、新しいことを見つけることができる、と言った。

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