マージは、連続WSの途中の1990年12月31日のクラスで、歩くアクティビティをこれから始める人にこう言いました(彼女はこのとき91歳です)。

(マージ)歩くため何を準備しますか?
(参加者)頭が少し前に上に行くように、そして身体全体がついて行くようにさせます。
(マージ):その人はそう答えたが身体に変化が現れないのを見て)なぜそれを行わないのですか。
これは重要な点です。
あなたは行いたいことが分っていて、それを言います。でも、行おうとしません。
わたしはアメリカに帰ってから、その状況をどう改善できるかを考えました。
私がこう立っていて、「首がリラックスして、頭が前へ上へ、背中が長く広く、」と言います。
何が良いこと起きたでしょうか? 少しも起きていません。わたしはこう下がったままだからです。
私が頭を少し動かすことを望んだら、それが動くのです(マージは実際に頭を動かしてみ
せる)そして頭は少し横方向を向いて、それから歩き始めます。
私ができるのですから、あなたも最初の言葉を実際に行えるはずです。
最初に考えたことが動きになるのです...
(もう少し説明が続きます。)

これは、伝統的なテクニークの教え方とは真逆です。普通は、自分で行おうとしないで、ディレクションしながら「動きが起こることを許すように」と教えるからです。
しかし、そうシンキングしている人が自分への引き下げを続けるだけで、何も変わらない
ことを見ていたので、マージはそれを変えたいと思いました。

もちろん、普通は頭を無理に動かしてしまうので、それが良いわけでもありません。
そこでマージのハンズ・オンが生きてきます。それはその人が学ぶためのものです。
誰もがいつかは、先生の助けなしに頭を動かせるようになりたいわけですが、マージは最初からそれを目標にさせていました。
シンキングで身体に動きの実際の変化(とても小さいものですが)を起こすための方法を学んでいる、という点では変では伝統的な方法もマージの方法も変わりはないのでしょう。

2025年GW4日連続WSでは、アレクサンダー・テクニークを学びながらマージの教え方
を見て行きます。
https://yasuhiro-alex.jp/gw-alexanderws/

また、WSでマージがどう教えたかの記録(上記の彼女の話しも含まれています)や、彼
女へのインタビュー、彼女がどう教えたかの生徒たちの文章や対談を編集して、マージの
教え方をまとめた本「マージョリー・バーストー」(私家版、簡易製本)を3月末頃に出
します。
この本の予約注文も上記のWebページで行えます。