マージョリー・バーストー(マージ)のワークショップには、当然ですが他の教師養成コースで
学んだ多くのアレクサンダー教師が参加していました。
伝統的な「インヒビションして、首がリラックスして、頭が前へ上へ、背中が長く広く」とは
マージのディレクションの言葉が異なっていたので、それについての質問がありました。
「なぜインヒビションを教えないのですか?」
「なぜ頭を動かすように言っているのですか?」
などです。
マージの答えはとても興味深いもので、それを聞くとそれらが彼女が50年以上も教えてきた中で
到達した地点だということが分ります。
マージは「頭をデリケートに上方向に動かす」ことを教えました。
それは彼女が言うように「とてもシンプルだが、簡単ではない。」ことです。
頭を動かすだけなら誰でもできますが、それを「信じられないほどのデリケートさ」で行う必要が
あるのです。
デリケートに動かすことは、アレクサンダーのプライマリ・コントロールの重要なポイントなので、伝統的な教え方では、「思うだけで」とか「その動きが起きることを許す」という言い方をし
ています。
そのデリケートさを教えるために、マージは生徒の理解を質問しながら、強力なハンズ・オンで
頭と首と肩などに触れて、変化を促しました。
(ただワークするだけではありません。生徒が変化を自分で起こすようにさせていました。)
それは短時間のときもありますが、一人に10分以上をかけるときもあります。
注意深くその様子を見ることで、頭と首と胴体に変化が起きることが分ります。
それはマージが言っているように「位置ではなく、動き [It’s not a position, it’s movement]」が起こることです
1990年年末からの5日連続WSでは、マージから長く学んでいる参加者と、初めて学ぶ参加者が
いました。
初めての人たちの1日目のとまどいが面白いのですが、「頭がデリケートに動く」を学び続けた
WS後半には、彼らのイスの座り方や全体の雰囲気に大きな変化が見られるのはとても興味
深いです。
「頭がデリケートに動いて」の後のマージの指示の言葉は「胴体がついていく」ですが、マージが
それをハンズ・オンで伝えると、本当に胴体から下の身体に変化を与えます。
マージはいつも、それにより呼吸が変わることに注意を向けていました。
それについては、次回(来年)に書きます。
2025年GW4日連続WSでは、アレクサンダー・テクニークを学びながらマージの教え方を見て行きます。
https://yasuhiro-alex.jp/gw-alexanderws/