昨日(2022年10月10日)、6人の参加者と一緒にWSを行いました。

ダイモンの「身体と声」は、話声や歌声について学ぶ上で、図が見やすい上に簡潔に書かれていて、発声の仕組みを深入りすることなく学べる良い本です。
それでいながら、多くの人が持つ呼吸や声についての間違った考え方について、それがなぜ間違っているかが理解できます。
取り組みやすい練習方法もいくつか書いてあり、それらは役に立ちます。

「ダイモンの「身体と声」を学び体験する」WSの概要

【午前】
1. 簡単な自己紹介
テキストのどんな所に関心を持ったか、どこを取り上げてもらいたいか、を話してもらいました。

2. テキストの概要説明と各自へのワーク。
  参加者6人に対して、一人一人にワークを行い、歩いてもらったり、声を出してもらったりしました。
それと並行して、特にテキストの前半部分についてあらましを説明しながら、対話形式で疑問点や、意見などを出してもらいました。
次のようなトピックです。
 ・発声の3要素。( 呼吸、喉頭の中の声帯、共鳴器としての声道)
 ・呼吸と声が人の直立サポート系から生み出されていること
 ・腹部の筋肉を働かせるだけでは。 声に良く作用しないこと
 ・ 息の量を増やすことでは、声量が増えないこと。
 ・どこかの身体部分を無理に使うのではなく、「意図」が声に大きく影響すること。
 ・ 音の大きさを左右する空気の振動は共鳴部分で起こるので、軟口蓋と喉頭の位置が重要になること
 ・ 喉頭がつり下げ構造と、喉頭を押し潰さないこと
 ・高音はどうやって、作っているか

3. 各自の テーマについてのアクティビティワーク。
   歌、 人前で話す、 お経 を上げる、 などの応用例で、実際にその活動を行ってもらいながら、その改善方法とテキストの内容(とアレクサンダー・ワーク)を結びつけて説明しました。

【午後】
1. テキストの後半の内容をもとにして、セミ・スーパインの体勢になり、呼吸や、顎、舌、口を動かすときの身体全体の使い方を調べ、声を出すときの自分の身体の使い方を探求しました。

2.午前ご同じようにアクティビティ・ワークを行い、実際の場面での応用を行いました。

【参加者の感想】

【梅田開催】

(M.N.さん)
「身体と声」は自分が長年追求している事だったので、非常に面白かったです。
肋骨を自分から広げて息を吸わない事はアレクサンダーで知っていたけど、理解不足で実行出来ていなかった事が分かりました。
この事も印象的でしたが、横隔膜が背中側斜め上に上がっている事を知った事が一番印象に残りました。
また、横になり声を出す事で、ある部分に力を入れて声を出している事が分かりました。
この本の未だやっていない所を、長時間掛けてヤスヒロさんと解読してみたくなりました。とても楽しい時間を有難う御座いました!

(T.M.さん)
歌う時に息をすする様に吸っているのに気付きショックでした。
クラリネット演奏時の息継ぎでも同じことをしていると思います。クラリネットの息継ぎを改善したいと考えていましたので、探求したいです。
やはり、コーディネーション(ユース)を良くすることが最優先だと感じました。
次回の学びの機会を楽しみにしております。

【坂戸開催】
(名久井 貴之さん)
初めての参加でしたが。 先生とともに皆さんが気持ちよく受け入れて頂いたので、楽しく取り組むことができました。
「意図」 が大切であること。今まで考えていた身体意識の使い方とは違っていたこ、何かを行うときに、今日のそのときの新しい意味を考えること。 が印象に残りました。
明確に「意図」してから行動することを続けて行きたいです。これからも続けてWSなどに参加して行きたいと思います。

(K.T.さん)
とても勉強になりました。自分ではつい...という部分を指摘して頂きました。自分のやってきたことと、 遠いものではないので、持ち帰って続けたいと思います。ほかの方のレッスンを見せていただくのも。 勉強になりました。 色々思い出したり再確認するいい機会でした。
基本的にワークショップの進め方はいつもの康裕さんのスタイルでしたが、久しぶりに受けて、康裕さんや。久しぶりに会う皆さんの印象がより柔らかくなった、と感じました。
アレクサンダー・テクニークを自分自身に使い続けること(私生活、おしゃべり、歌)を、続けたいと思います。

(M.W.さん)
声に関する基本を学び、誤解を解くことができました。一人一人のアクティビティの時間もあり、楽しかったです。
大きな声を出すのに必要なのは、息の大きさではなく適切な意図だ、ということが印象に残りました。
他の人が話をしているときの空間認識の広さを。 これから観察してみたいと思います。 また、頭が高い所にあり、自分の意識もその高さに置き続けること、を続けていきたいです。

(I.N.さん)
空間、身体全体、頭、の意識を変えるだけで、皆さんの声がすごく変わったことが驚きでした。
声の大きさは空気の量ではなくて意図だということ、うまく出来ているときはやっている感覚がなくなること、「自分の慣れた考え方を思い切って手放す意識」が変化を作る、ことが印象的でした。
ただやみくもに練習を行うのではなく、明確な意図を持ち同意するというプロセスと、外側への意識。脚への意識、を保ちたいと思います。
習慣を手放すことがいかに難しいか、を改めて感じました。

(H.R.さん)
声を出すときの自分の習慣を(首の後ろ側が縮め、顎を上げ、頭を後ろに引く)、改めて思い知らされました。
後半のアクティビティで、 ハンズオンを使わずに 康裕さんの声のガイドだけで、 自分のユースを変えることができたことが印象的でした。
自分の変化だけでなく、他の参加者の変化を。見れることはとても勉強になります。テーマが設定してあるワークショップなので、余計にそう感じました。
自分に起きていることにもっと気づけるように、  また考えるときの自分の傾向を変えていきたい、と思います。

(K.J.さん)
フィードバックをその場ですぐ分りやすく教えていただけるので。役に立ちます。
何かを行うときに自分に迷いがでること、それが行動の明確さを失わせることが分りました。決めたら動くことは重要だと思います。
良い間をとって周りを含めること、自分が何を表現したいかを意図すること、行うことが考えのないルーチンにならないようにその瞬間に考えを新たにすること、を続けてみます。