今日は3人の参加で「声を出す仕組みATの発声法」WSを初めて行いました(次回坂戸は6月4日、梅田は5月29日です)。
第5回の「呼吸のしくみとATの呼吸法」では、アレクサンダーが教えたことを使いながら胸郭の可動性をあげることに取り組みましたが、今回はそれをさらに「声」に進めました。
「発声」については誰もが多くの習慣を持っているのに、余りそれに気づいていません。
それに知り改善することで、自分全体の使い方が良くなり健康状態も良くしてくれます。

腹部の筋肉を働かせるだけでは、声を出すときの「息の支え」にならないこともWSの中で扱いました。

初めて行う内容は、わたしも多くの発見がありました。参加された方々ありがとうございました。

WSで行った内容と、参加者の感想をお届けします。
このWSは希望者が集まれば随時行いますので、参加を希望する方はhttp://yasuhiro-alex.jp/sakado_1day/ からお申し込みください。

「声を出すしくみとATの発声法」WS概要

(図を中心にしたA4で1枚(表と裏)の配布資料があります)

【午前】

1.参加者それぞれのアクティビティ(朗読など)での現状分析

2.呼吸と声を出すときの「支え」について(資料)

3.発声の身体構造、喉頭・舌骨の吊り下げ(資料)

4. ウィスパード・アー(アレクサンダー自身のビデオ、他)

5.ウィスパード・アーの練習、発声の改善

6.ウィスパード・アーの詳細1(ジョン・バロンの教え方を参考に、手順を細分化してさらに検討)
  顔、眼の周りの緊張を取り、顎、喉頭をリリースする
  息を吸い込むときの、喉頭から唇にかけての緊張を取る

【午後】

6.各自のユースの改善、午前のウィスパード・アーの復習

7.ウィスパード・アーの詳細2
  顎を下げる、「アー」の音の質、ささやき声から実際の声への移行

8.参加者それぞれのアクティビティにウィスパード・アーの使い方を取り入れる

9.振り返り、感想記入、質問。

参加者の感想

【2022年6月4日】
(M.W.さん)
声について、いろんなアクティビティを通して、自分と周りの人の声の変化を体験できて楽しかったです。
胴体で上向きの流れを作ってから、一音目をコントロールしながら発声すること、 喉頭はぶら下がっているし、鎖骨や肩甲骨にもつながっていること、息を吐くときに、胸部も腹部も全体が順々に使われて空気が上におくられること、などを学びました。

(S.M.さん)
小説「杜子春」を読みながらの練習は、丁寧に意識を使うことができて面白かったです。 喉やお腹に力を入れないで呼吸することが難しいと感じましたが、練習していくうちにわかってきて、新しいつながりを見つけられた気がしました。一日という時間かけて探求して行くことで。 ほかの方の変化も見れて良かったです。
最後のウィスパード・アーの練習が印象に残りました。

(K.R.さん)
全員で一つを探求するので、変化も分かりやすいし、個人で課題が違うことを見やすいので、一日でいろいろなパターンを学べるのが良いです。
自分の課題でいっぱいですけど、取り組む決意をさらに持てます。きっと帰り道に...
ウィスパード・アーの奥深さが印象的でした。顎を開くのさえ難しいので、呼吸と連動しにくいです。
発声の構造と、喉頭、舌骨周りの筋肉の探求をあまりしていなかったので、できてよかったです。座っているときの脚について考え直したいと思います。

(X.X.さん)
ほかの参加者の声が変化したことに驚きました。 一日があっという間でとても楽しかったです。
気をつけないと部分感覚にとらわれてしまう、ということを改めて実感しました。
ほかの参加者で、体の緊張がなくなったときに声の響きが良くなったことに驚きました。( 高音と低音が聞こえてきました。)
上手に身体を動かす人は、むしろ動いてないように見えました。
声の出し始めに気をつけて、身体が広くなりながら声を出すことに取り組んで行きたいです。

【2022年5月29日 梅田】
(I.S.さん)
呼吸について、さらに意識的になれるような知識が増えました。腕のこともとても役に立ちましたし、3日間連続で受けることができてよかったです。
息を吐く時に、特に下げていたことに気がつきました。頭が上にはリリースすることで起こること、ユースによって声が影響されること、がよくわかりました。頭が上に、背中がもっとついてくるように、を練習していきたいと思います。

(I.D.さん)
舌骨を吊り下げている筋肉群の関係がよくわかりました。今日学んだウィスパード・アーにつながる一連のエクササイズと、そこから声を使うことは続けていきたいです。じっくり時間をかけて1人1人見てもらえたので、よく学ぶことができました。

(K.M.さん)
繊細な取り組みで腑に落ちた部分がたくさんありました。自分のものにするには時間がかかりそうですが、楽しく取り組んでいきたいと思えるワークショップでした。首から骨盤までのつながりが恐竜のように鎖状になった時がありびっくりしました。どんな刺激に対しても長くなる反応を「し続ける」、広がり「続ける」、という「続ける」ことの重要性を印象的に感じました。

(T.M.さん)
コーディネーションが変わることで朗読時の声だけでなく、抑揚などが自分の表現したい方向に自然と変わること、喉頭のぶら下がり構造によりユースの変化の影響が発声に現れやすいこと、が印象的でした。レッスンでユースが良くなるとき、声の変化が一番分かりやすいかも。
全体的なコーディネーションを良くすることの素晴らしさ、奥深さを再認識出来た3日間でした。
次回の学びの機会を楽しみにしております。

(S.M.さん)
チープ・トリックがけっこうが効きました。そしてファニー。
ウィスパード・アーからの発声(有声化)が、離れたい習慣のインヒビションにすごくマッチした。
自分ともっと仲良くなりつつ、いろんなことをやりたいようにやっていけるようになってきたい。
3時間では足りない・・・と思いました。もっとたくさん大阪に来てくださいね。

(K.G.さん)
水は何日間か飲まないと生きていられないといいますが、呼吸は数分できないと生きていられません。 その点では、呼吸イコール命といってもいいかもしれません。呼吸する能力を高めることは死ぬまで生きられる能力を高めるとともに、心も鍛えられる、すごい可能性のあるものだとWSを受けて思いました。
横隔膜がどう呼吸の時に動いているかや、 舌骨がいろいろなところからぶら下がって引っ張られていて、甲状軟骨とも関わっていることを、再確認しました。チープトリックが印象的でした。
これからは、横隔膜の動きと顎への力の解放に気をつけたウィスパードアーなどの呼吸について、取り組んでいきたいです。
また、これをしゃべるぞという考えから、反射により声をだしてしまい変なふうになるので、それに気づき、良い方向へ進んでいけるようにしたいです。
さらに 吐ききって入るにまかせて吸う時に、私はお腹がばっと膨らんでお腹に空気が入るが如くなっているので 、少しずつでも肋骨が動いて肺が膨らむ方向へお願いしていきたいです。

【2022年5月16日】

(E.F.さん)
「声を出す」というのは楽器を弾くよりもより習慣的なので、自分に再教育を行うための取っ掛かりや手順が今まで分かりませんでした。今後どうやって練習してけばいいのかと、自分が気をつけるべき観察ポイントが分かり、とても良かったです
息を吸うことは「本当に自然と息が入ってくる」ことだと、気付けました。また喉頭(声帯)の部分があんなに動くということにびっくりしました。
呼吸、声を出すこと、その他の活動でもDoingが大きいことに気づけたので、考えてただ指示をするだけ、ということができるように取り組んでいきたいです。

(T.K.さん)
知っていたつもりのことに、初めて身体がついてきたような気がします。3人くらいの人数で順番に行なっていくと体になじむような気がします。
印象に残ったこと
・舌骨と喉頭が吊り下がっているという構造
・ウィスパード・アーの時に微笑むのは目の奥や後頭の緊張をとるため。下あごは重力で落ちる。
・息はお腹を使って出すのではなく、勝手にもれるもの(出て行くのを許す)→そこに声が乗る。
・息が出て行くのをやめると、勝手に空気が入ってくる。

(H.R.さん)
声を出すことにテーマを絞った1日のワークショップは内容がとても濃くて、普段では知れないこと、気づけないこと、がたくさんありました。
声を出そうとする瞬間に自分がたくさんの習慣を持っていること(頭を後ろに引く、体を下げる、お腹に力を入れる)に気づけたし、なぜウィスパード・アーをやるのか、どう役に立つのか(表情筋、顎、喉頭のリリース)、が今までより明確になりました。
楽器のレッスンでたくさん話をするので、少しでも習慣が出てしまうことをインヒビションしたいし、
「頭が上」をいかに続けながら話せるか、を探求したいです。