教師養成コースでの指導内容

アレクサンダーは、教師養成コースのクラスをどのように教えていたのでしょうか?

ウォルター・キャリントンはアレクサンダーが作った教師養成コースの第2期生ですが、

著書「A Time to Remember (覚えておくべきとき)」の中で次のように書いています。

「クラスの時間になるとトレーニーたちは集まり、部屋の中では立っている者も座っている者もいて、だいたい円を作っていました。FMは入って来るとすぐに近くのトレーニーの所に行ってワークし、終わると次のトレーニーに移ります。そうして一巡すると終わりはほぼ予定通りの時間で、彼は部屋を後にします。彼が一人一人にワークするときは、イスを使って座ったり立ち上がらせたり、「モンキー」の体勢にさせたり、「ウィスパード・アー」を行わせたり、「つま先で立つ」をさせたりしました。そうしながら、スポーツやクリケット、その日のニュースなどの一般的な話題についての話しがあり、トレーニーが質問するとFMはそれに答え、その内容について実際に示すこともありました。彼がトレーニーに手でワークするように言うことはめったにないのですが、しばしば、わたしたちの両手をイスの背に置かせました(これはハンズ・オン・バック・オブ・ザ・チェアとして知られています)」

ここで出て来る「モンキー」と「つま先で立つ」は脚に関係した練習です。
つまり、トレーニングの中では脚の使い方も要素だということが分ります。
(もちろんアレクサンダーが生涯をかけて作り、晩年はそれしか教えなかったと言われている「チェア・ワーク」も脚を使います)。


脚に関するプロシージャ

これらは「プロシージャ」とアレクサンダー界では呼ばれていますが、脚についての「プロシージャ」の目的は

 1.脚を縮ませないで使い、股関節、膝、足首の関節をできるだけ自由に使うこと

 2.胴体、特に背中と脚を協調して使えるようになること
だと思われます。

これらの動きの練習は、アレクサンダーのディレクションを与えながら行います。
動きの形は真似ができても、その動きの質を習得することが困難なのは、身体全体に引き下げを起こさずに全体を張力ネットワークとして使えないからです。
多くの大人は、そのような良い使い方ずっと以前にやめていて、不自由な使い方を普通だと思っています。

第3回の坂戸ワンデイWS(梅田では12月3日)では、これらのプロシージャを行いながら、1日かけて脚と胴体の使い方を変えて行きます。
ご自分の脚を変えてみたい、と思う方はぜひご参加下さい。

この日に行う「モンキー」「つま先で立つ」「壁のワーク」というプロシージャについては、アレクサンダーの姪で第1期の卒業生のマージョリ・バーローが説明している内容が「シンク・モア・ドゥ・レス」という本になっています。
彼女がそれらを教えているDVDもあります(YOUTUBEで「marjorie barlow」で検索すると彼女のワークの一部を見ることができますが、この部分は無いようです。)

WSでは彼女がその3つを教えているビデオを見て、これらの動きを試してみます。

また、このときに「背中のファシア-大殿筋―太腿のファシア」の構造を知ることが役に立ちます。
簡単な資料をもとにその構造を理解しなら、その構造をそれらのプロシージャでの脚と胴体の動きに応用します。

第3回坂戸ワンデイWS「胴体と脚のコーディネーションを知る」

・11月23日(火、祝)(定員6 残席3)
・12月23日(月)(定員4 残席2)
http://yasuhiro-alex.jp/sakado_1day/

・12月3日(金)大阪梅田(3時間で開催)
http://yasuhiro-alex.jp/kansai-ws/

第2回の「背中が長く広くを知る」も
11月15日(月)(定員4 残席2)
に行います。
・11月23日(火、祝)(定員6 残席3)
・12月23日(月)(定員4 残席2)
http://yasuhiro-alex.jp/sakado_1day/