マージの教える内容はシンプルですが、それは幾つかの重要な点を繰り返し教えること
で、生徒が自分の体験の中で深めて行けるようにしていたからです。
次から次へと変わる知識に気を取られてしまうと、深い部分の変容は起きません。
私も含めてですが、人は自分の課題に向き合うことをしないで、知識に逃げてしまいがち
になるものです。
しかし、そのマージのやり方を真似ようとしても普通はうまくいかないことでしょう。
そう教えることができるのは、マージの人としてそして教師としての力量の高さだと思い
ます。

マージが厳しく教えた基本的なことの一つに、「ネガティブ・シンキングをしない」ということが
ありました。
ユーモアを交えながら厳しく指導することで、生徒は自分のその傾向に向き合います。
今作成している「マージョリー・バーストーの教え方を学ぶ(下)」から、ヘザー・クロ
ルの文を引用します。彼女は理学療法士です。

立ち上がって歩くことがでないと思っている人は、身体にそれを妨げる障害がなくて
もそれができません。同じように、私のネガティブ・シンキングがどれほど自分を変
化できないようにしているかを、マージは私に何度分らせてくれたことでしょう。歩
き出すことをマージが助けてくれたレッスンで、彼女が私のシンキングを変えて、私
の頭がデリケートに体から離れていくように動いて、体がついていくようにさせたと
きに、私はその不慣れな感じから「これを続けながら、歩き始めることはできない。」
とシンキングを変えてしまいました。「できない、」と考えている限り、私はそれがで
きません...

興味深いことに、「できない」と思うことが人に良い動きを行えないようにしていること
を、アレクサンダーは最初の本「人が受け継いでいる最高のもの」(MSI)に例を挙げ
て書いています。

ネガティブ・シンキングをしないことについては、「マージョリー・バーストーの教え方
を知る(上)」に載せたマージの生徒の寄稿文に何度かでてきているので、彼女がそれを
重要に思っていたことが分ります。
その中のキャシー・マデンの文には、「できない」というはっきりした否定形だけでな
く、そうと思われない考え方の中にもそれが潜んでいることを紹介しています。

過去をクヨクヨと振り返ったり、未来を心配することもネガティブ・シンキングになるの
でしょう。

5月3日からの坂戸連続ワークショップでは、アレクサンダー・テクニークを学びながら
マージの教え方を見て行きます。
https://yasuhiro-alex.jp/gw-alexanderws/

「マージョョリー・バーストーの教え方を学ぶ(上)」の内容と申込みは次にあります。
https://yasuhiro-alex.jp/marj_book1/