今回は、つい2週間前に知ったことで、わたしが持っていた身体観を大きく変えたものについてです。
自分や他の人の動きを考えるときに、いろいろなアイデアを持てそうです。


伸張反射と筋紡錘

第2回のファシアレクチャーで、実用的な内容の柱の1つとして、「伸張反射」のしくみを話しました(参加された方は、筋紡錘の感覚ニューロンが脊髄に入り、α運動ニューロンなどを刺激するしくみを覚えているでしょう)。
「伸張反射」は、一言でいえば「筋肉は伸びれば力がでる。」ということですが、これを良く理解して生活のあらゆる所で使うことで、動きが劇的変わる可能性があります(その例も、レクチャーでは、幾つか紹介しました)。
ただ、レクチャーで「伸張反射」とその主要な感覚器官になる「筋紡錘(きんぼうすい)」を扱ったのは、テーマの一つだったファシアの感覚器官を述べるときに、人の感覚器官全体を概観する必要があると思ったからでした。


筋紡錘と「張力ネットワーク」

ところが、「筋紡錘」の機能はそれだけではなかったのです。
何度か紹介しているカラ・ステッコの「ファシア系の解剖アトラス」でわたしが読み飛ばしていた部分(何しろ英語なので)に、筋紡錘とファシアの関係についての詳しい説明を見つけました(2頁ほど)。

そこには普通の解剖学や神経科学の本とは異なる事実が書いてありました。
簡単に書くと、「筋紡錘」は筋肉繊維の中に入っているのではなく、筋肉の内側で複数の筋線維をまとめている「筋周膜」の中にある、ということです。
そして、この「筋周膜」は身体全体で「張力ネットワーク」を構成する「深層ファシア」に繋がっています。
つまり「筋紡錘」は、それが属する筋肉の状態だけでなく、その付近を中心とした身体の変化の情報を常に受けとって、脳に伝えているのです。

レクチーで紹介した、2億個以上もあると言われている自由神経終末や、パチニ小体、ルフィーニ小体も固有感覚の受容器官として重要ですが、「筋紡錘」の方
がより重要です。

第3回ファシアレクチャー

第3回のファシアレクチャーでは、その「筋外膜-筋周膜―筋紡錘」がどうなっているかの顕微鏡写真も見ながら、このしくみについて説明します。さらに、それに関連して、脊髄から筋紡錘に伸びているγ運動ニューロンのとても重要な働きについても触れたいと思います。
これらにより、「伸張反射」と実生活との関連を、さらに良く考えることができるようになるでしょう。

池袋 3月27日(土) 15:00-18:00
オンライン4月7日(水)13:30–16:30
オンライン4月11日(日)13:30-16:30
http://yasuhiro-alex.jp/ikebukuro-lecture/からお申込み下さい

梅田4月2日(金)13:30-16:30(予定)4月5日(日)17:45-20:45http://yasuhiro-alex.jp/kansai-ws/ からお申込み下さい