昨日(2019年8月10日)、池袋レクチャーの第4回が終わりました。

9名の参加者のみなさま、暑い中ありがとうございました。
質問も多く出て、活発にレクチャーを進めることができました。

今回の添付資料は、最終的に
・レジメ+資料 19頁(A4)
・アレクサンダーのレクチャーの訳(児童研究、聖ダンスタン) 21頁(A4)
・アレクサンダー初期のチラシ、小冊子の訳(今でのレクチャーと別のもの) 22頁(A4)
というように合計62頁にもなったので、参加された方々、また参加できなくて資料購入のみの方々にぜひ自宅でじっくり読んで頂きたいと思います。

1.今回の内容

レクチャーでは、最初にアレクサンダーの生涯を簡単に振返り、それに次の著作を関連づけました。

彼の4冊の著書
1)1910年(1918年)「人が受け継いでいる最高のもの」MSI
2)1923年「個人の建設的で意識的なコントロール」CCC(CCCI)
3)1932年「自分の使い方」UOS
4)1941年「生きている上で変わらないもの」UCL

次に、記録の残っている3つのレクチャー
1)1925年「児童研究協会レクチャー」
2)1934年「ベッドフォードレクチャー」

3)1949年「聖ダンスタンレクチャー

最後に、1894年~1910年にかけてのさまざまな16個の「チラシ、新聞投稿、小冊子」
    オースラリア時代――4     ロンドン――12
です。

時代背景や、アレクサンダーの当時の状況、彼の考え方の発展などを説明しました。

最後に、彼が「プライマリ・コントロール」という言葉を使い出す前に良く使っていた、「機構的に有利な姿勢」と「拮抗的な引っ張り」について、デモンストレーションを交えて取り上げました

2.参加者の感想

(D.T.さん)
勉強になります。 F.M.の歴史的流れを踏まえての発言の変化は、確かに大事だと思いました。アレクサンダー・テクニーク(発見)を学ぶ上で、これらを知っているのと知っていないのでは違うと思いました。人により違うでしょうが、個人的には知って学ぶ方が理解が深まるというか、大きく学べる気がしました。
レクチャーの内容と構成は分りやすかったです。
F.M.や A.R. その他の先生、STAT など、教える方の特徴や違い、特色などが分れば知ってみたいです。

(水谷良平さん)
アレクサンダーの大まかな生涯と、各著作の関係をつかむことができた。アレクサンダーの生涯で起きたことと、各著作には密なつながりがあることがよくわかりました。
アレクサンダーのレクチャーを、日本語で読めるのはとても価値があると思います。

(O.M.さん)
第1~3回の内容と少しずつ重複しながら進めていただいたのが良かった。
年表は役に立つ。
資料は読み切れていないが、充実していると思う。
参加者の1人へのワークもあって、わかりやすかった。

(H.M.さん)
F.M.の年表に沿って見ていくと、彼の考え方の変遷がわかって面白かったです。
これをふまえて、著書や資料を読みたいと思います。
呼吸については見るけれども、自分に指示するものではなく、結果であると変わっていったのが興味深かったです。
ビンクリーとルーリーの本を読んでみたくなりました。
次回のレクチャーのアレクサンダーの弟子の話、ぜひ参加したいです。

(池田隼也さん)
F.M. の生涯と著作物を様々な資料から読み解くことで。彼がどういう考えから用語を用いたのか知るきっかけになった。 F.M.が何を見ていたかということで「拮抗的な引っ張り」と「機構的に有利な姿勢」という観点はテクニックを理解する上で良いものでした。
資料はよくまとめられていて見やすかったです。多くの資料から関連する文が抜き出されているので活用しやすいです。
今回のテーマはとても興味があるので、引き続き関連するテーマで理解を深めたいです。

(O.M.さん)
著作、レクチャー、パンフレット等を年代を考えてみていくことで、アレクサンダーがどのように考えを発展させて、どのように教えていたかをある程度理解できた。
詳しくは資料を読み込んでみます。

(S.M.さん)
今まで聞いたことのある言葉が出てくるので「そういうことだったのか」という発見は楽しいです。
今までの資料を読んでいればもっと楽しかっただろうなという思いもあります。
ホワイトボードの年表に書き足していくのは面白いです。復習にもなる。

(山本佳代子さん)
今まで言葉で考えると”しばり”になってしまうというのか、固さにつながる感じがあって、資料を一生懸命読むのが苦手な面があったのですが、何か受け取り方の整理の方向が少し見えた感じがします。

(N.S.さん)
晩年、チャアワークしかやらなくなった話がおもしろかったです。
ブリージング関連の冊子がたくさんあるので、本当に「ブリージングマン」だったのが伝わってきまあした。生徒と言い争わなくなったのは、どのように教え方が変わったからなのか不思議に思いました。
資料は特に「 ディープ・ブリージングの危険性」が参考になりそうです。
レクチャーは、小冊子などに記載していることを取り上げて、デモンストレーションをしてくれたのが分りやすかったです。

3.次回の第5回池袋レクチャー

10月14日(月、祝) 第1世代の教師を知る&アイリーン・タスカー」

  前半は、F.M.アレクサンダーから直接教えを受けた「第1世代教師」を扱い、トレーニングの様子やF.M.の死後のアレクサンダー界の発展、彼らが残した著書の特徴などを概括します。
  後半は、1915年から彼のアシスタントになり、「リトル・スクール」を創設し、南アフリカの名誉棄損裁判の原因を作るまでに南アフリカの教育界にATを評価させたアイリーン・タスカーを扱います。
彼女は、個人レッスンというよりも学校活動の中でインヒビションなどを通してテクニークを使っていくことを考えました。